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2021年8月29日 (日)

聖学院 思考力セミナー まるでダ・ヴィンチ・プロジェクト

昨日、聖学院は学校説明会を開催しました。緊急事態宣言延長もあり、デルタ株の予測不能な動きもあったためでしょう、ハイブリッド説明会に変更されたようです。オンラインでできるセッションとリアルで行うセッションを分けたようです。そんな中で、本橋先生の行う思考力セミナーは、リアルに行われたようです。写真3枚と簡単なキャプションがあっただけなので、詳しくはわかりませんが、ポリドロンと平面図形のワークシートが映っていたので、トポロジーの思考力を今まで以上に発展させて行ったということが推理できました。

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(写真は同校のサイトから)

★たぶん、中学入試界で、セミナーなどで黄金比・白銀比やトポロジーを使いながらアブダクション(abduction)型の推論思考を体験しながら学んでいくプログラムを実施している数学教師はいないでしょう。

★数学の教科書では、硬い幾何学はやるけれど、柔らかい幾何学はやりません。それにdeductionとinductionはやるけれど、abductionは意識してやることはないでしょう。

★しかし、生命科学や化学、建築、アートの世界では当たり前の推論思考法です。

★ただ、そのような現象を扱う学問では、根源的な記号過程の思考方法を直接学ぶことはありません。これは欧米ではリベラルアーツにおける数学の領域です。ある意味哲学です。

★IBでも扱うかなあ。ああ、デンジャラスマスでならやるかもしれません。

★最近の数学はよく社会課題に結びつくようにといいますが、柔らかい幾何とか世界作りの方法とかやらないと、ただ現象をなぞるだけのものになりがちです。

★社会課題に役に立つとは、空気から食物や壁の素材、水などを生成する考え方を見出さなければならないわけです。それには柔らかい幾何であるトポロジー的発想や、普遍的な数論をやらなくてはなりません。

★そもそもその領域が中高の教科書には抜けています。

★しかし、本橋先生は、ちゃんとカテゴライズという集合論的発想を媒介にして、異次元に飛ばしています。

★集合論は教科書に入っていますよね。それが異次元に結びつくサプライズ。シンプルにワクワクする高度な学びです。でも、生徒は高度だなんて思わずに遊べてしまう。リアルな思考力セミナーの醍醐味ですね。

★一般的に、PBLは結局現象にこだわったモノづくりになりがちで、そのモノが成立する記号過程を学ぶことはありません。この根源的な記号過程にこだわって科学が成立するわけですが、それを最初にやったのは、あのダ・ビンチですよね。

★探究がダ・ヴィンチのように記号過程の原理に迫っていくものだと、社会を変えることができます。

★記号過程の原理は実にシンプルです。原理はシンプルで、現象はそれを覆い隠すように複雑なのです。湯川秀樹がそんなことを言っていたような気がします。

★本橋先生の数学は、まるでダ・ビンチ・プロジェクトであるかのようです。

★こういうプロジェクトが自由にできる聖学院がいかに学問的背景が広く深いかということです。2027年に首都圏の中学入試の枠組を変える学校とは、かくして根源的な学問を根っこにもっているということですね。

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