高校の21世紀型教育の今(03)ダイナミック思考に転換できるか?!つまりは、対話型思考というコトか?
★ここ数年、文化人類学が注目されています。その理由は、あのクロード・レヴィ=ストロースの「野生の思考」に象徴されるような、自然や弱者、未知とどう接するかが問われている時代だからでしょう。その流れで、縄文時代も注目されています。
★それで、谷中修吾さんの「最強の縄文型ビジネス イノベーションを生み出す4つの原則」 (日本経済新聞出版)という本や鷲田清一さんと山極寿一さん共著の「都市と野生の思考」(インターナショナル新書)も出版されていました。ポスト・パンデミックではどうなるのか?それとPBLがますます注目されているので、もう一度斜め読みしてみました。
★谷中さんの弥生型ビジネスと縄文型ビジネスを「弥生型思考」と「縄文型思考」とラベルだけ置換えてみてみましょう。
★実に分かりやすいし、レヴィ=ストロースの野生の思考が縄文型思考と重なるというのもわかります。しかし、文化人類学的に、果たしてこのように分けられるのかどうかは、リサーチしてみないとわかりません。レヴィ=ストロース自身、野生の思考=縄文型思考とはしないでしょう。
★PBLというのもそうです。実はプランイングするPBLとアドリブ型PBLというのが実際にはあって、それは参加者の状況によるわけです。
★現状の高校の21世紀型教育は、学習指導要領を無視できない以上、弥生型思考をベースにしたPBLをやらざるを得ないのですが、勤務校の場合は、カトリック校ということもあり、協調的で感謝オリエンテッドな要素もあふれています。もちろん、協調的です。しかし、直感型かというとやはり限られた時間と資源を運営するためには、計画的にならざるを得ないのです。
★教科授業はコンプライアンスベースで探究ゼミはフリーダムベースというのはありかもしれません。
★さてさて、どうするのか?やはりポストパンデミックの都市計画は、里山都市計画にならざるを得ないでしょう。SDGsもより鮮明に強化されるでしょうから、そうなっていくでしょう。そうすると地政学的には日本の役割は大きいわけです。
★里山は計画的に運営しないと荒廃してしまいます。しかし、そこに棲む動植物との接し方は直感的な推論からまず始まります。どの里山も、その土地の自然条件によって違います。はじめから調査しつくされているわけではありません。ですから仮説推論は直感的に始まります。実際に草木を刈りながら整えていくと、思ってもいなかった植物が生えてきたりするものです。
★それに、ベートーヴェンのピアノ協奏曲5番のカデンツアは、ピアニストとオーケストラの協調的な即興性が腕の見せ所です。
★ジャズのセッションもそうでしょう。今ではすっかり出来上がっていますが、モーツアルトのキラキラ星変奏曲も、出来上がる前は即興的だったでしょう。
★PBLは問題解決型学習なのか価値創発型学習なのか?これも、弥生型思考VS縄文型思考だとか農耕型思考VS狩猟型思考とかと同じ発想の二項対立です。
★ルソーの自然状態と社会状態の発想もそうかもしれません。ただ、ルソーはそれをつなげようとしました。全体意思と一般意思を区別しながら。しかし、現実は、法実証主義VS自然法論の対立構造から抜け出ることはできませんでした。
★とこらが、脱炭素社会の未来の一般意思の形成環境は、AIによる計算に委ねることができます。
★それはマズイのではないかという考え方も当然あります。しかし、直接民主主義が可能になるということでもあるし、さらにメタ直接民主主義もあるということでしょう。
★これがザッカー・バーグさんのいうメタバースの世界の到来ということかもしれません。
★様々な二項対立のダイナミックな統合プロセスがポストパンデミックで起こるのでしょう。そもそもダイアローグいという対話システムは、互いの合意点を放棄するか妥協するか創出するかというダイナミックな過程です。
★結局のところ、シンプルに、対話型というダイナミック思考ができるようになることが高校時代のゴールなのかもしれません。
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