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2021年8月 8日 (日)

高校の21世紀型教育の今(01)2つのGマインドセットがやはり大切

★今さらながらですが、グロースマインドセットが入学以降持続可能になる学びが大切だとしみじみ。21世紀型教育は、このマインドセットを推奨してきましたが、最近勤務校が高校だけの学校ということもあって、再び重要だと身に染みています。というのは、中高一貫校と高校だけの学校では、偏差値の意味が全く違っているので、入学時に入ってくる生徒がたとえ同じ偏差値でも相当生徒のマインドセットが違っていると思い知ったのです。

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★どういうことかというと、首都圏の中学受験生は、5万人という母集団での偏差値50の意味です。高校受験生は、100万人ですが、偏差値は大学受験者のイメージに支配されていますから、50万人という母集団の中での偏差値50という意味です。

★そもそも、中学受験生の意識は、相当高いのです。いわば、大学受験生の上位10%に相当します。その中での偏差値50ですから、同じスコアでも中学受験時と高校受験時の偏差値50の意味は違うのです。

★21世紀型教育は偏差値にこだわりませんが、入学するまでや大学の一般選抜の時に教科のしかも知識に偏ったテスト(最近そうではないと言っても、90%は知識でしょう)のランキングが現実に色濃く存在している以上、それに支配されている受験生の偏狭なマインドセットを開く必要があります。ですから無視するのではなく、その意味の確認と、そこに横たわる問題を探索しておく必要はあります。

★人生はすべて偏差値に規定されているとまでは、さすがに思ってはいないかもしれませんが、結果的にそれに固執せざるを得ないFIXED MINDSETを解き放ち、教科を超えたネットワークや関係性に気づき、人間関係も多様化するGROWTH MINDSETが必要です。意外と高校卒業するまで、いやそれ以降も、FIXED MINDSETをよしとして人生を歩むケースが少なくないのです。

★21世紀型教育は、PBLに代表されるディスカッションや対話をベースにした学びを行いますが、それには前提としてオープンな精神性や協働する寛容性が条件です。GROWTH MINDSETが必要なわけですね。

★この必要性に改めて気づいたのは、勤務校が学校説明会で、若い気鋭の教師が21世紀型教育について情熱的にわかりやすく語り、実際に体験型のPBL授業のデモンストレーションを教員全員で行ったとき、受験生や保護者が、感動したという事態に遭遇したからです。

★中高一貫校ではわりと当たり前になってきている21世紀型教育ですが、高校だけの学校では、まだまだ20世紀型教育が多かったのだという現実を知りました。何を聞きつけてこんなにたくさん訪れてきてくださったのかと驚いていたわけです。例年の申込数を予定していたら、あっという間に説明会会場のキャパが埋まりました。それで、急遽午後の申し込みを追加しました。するとそれも午前同様の参加数になったのです。個人面談参加率も例年より多く、聴いてみると、進学率(単純に4大の進学率)がヤバイとか、若い先生が情熱的で、生徒1人ひとりの学力と人間性や心の教育を丁寧に行ってくれているというコトだったのです。入学したとときの偏差値を思うと、たしかにこの進学率はヤバイわけです。それだけ、先生方が生徒1人ひとりの進路サポートにギリギリまで取り組んでいるということです。

★確かに、私を含め、2人以外はみな若いですね。そして、若いけれど、4年前に右肩下がりになったスモールサイズの学校経営をV字回復に向けて支え切った教員集団です。限界を超える体験は、順調な学校経営で長年暮らした50代の教師に比べ、凄まじい生きざまを経験している可能性大です。

★そして、高校受験時の偏差値50前後の生徒は、そういう若い先生を欲しているのだということがはっきりわかりました。そして、彼ら若き先生方は、同時に生徒と共にGRITというマインドセットも生み出していきます。Gというガッツだけでは、生徒は長続きしません。Rという回復力をサポートする必要があります。またいつまでも先生をたよっていては自律/自立できません。Iというイニシアチブを自ら引き受けなければなりません。そのためには、やりぬいたというT経験が必要です。このG→R→I→Tの循環を何回か伴走し、手を放すコーチングを若い先生方は体得しています。

※Guts(度胸):困難なことに立ち向かう能力 Resilience(復元力):失敗しても諦めずに続ける力 Initiative(自発性):自分で目標を見つける力 Tenacity(執念) :最後までやり遂げる力

★しかしながら、手を放すまでが、きめ細かいコーチングが必要です。個別相談では、こんなスモールサイズの学校で、経営状態はどうなんですかと心配までしてくださった質問があったそうです。それに対して、教頭が、大儲けはできませんが、大丈夫ですよ。何より他でできない少人数教育に邁進できます。生き甲斐をみな感じていますと回答したということです。あっぱれです。頼もしすぎます。

★もっとも、もし僕なら、ありがとうございます。その思いやりを寄付という形でいただけたら幸いですと付け加えるでしょうが(微笑)。

★ともあれ、GRITとGROWTH MINDSETという2つのGマインドセットが、21世紀型教育には必要だということを改めて身に染みてわかったわけです。

★そして、そうはいっても、中高一貫教育校と高校だけの21世紀型教育の違いはどこが違うのだろうと思ったわけです。たしかに、中高一貫校の領域では6年早く、21世紀型教育が浸透しました。ところが高校だけの学校では、今ようやく始まったばかりです。

★この差が何を意味するのか?中高一貫校の21世紀型教育をただ追っかけるだけではなく、別路線の21世紀型教育を目指さない限り、突破口がないような気がします。その差異は、中学入試の時の生徒の状況と高校入学時の生徒の状況の差異にあると思います。求めるものが違っているのだということでしょう。ここの判断を誤らないようにするためには、もう少し時間がかかります。

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