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2021年7月17日 (土)

教育のアップデート~2022年に向けて(31)ハッシュ関数的発想の「世界の作り方」の探究ゼミ

★ハッシュドポテトの世界は、まさにハッシュ関数に取り囲まれた私たちの日常世界の象徴です。バラバラになったものを寄せ集めてポテトという世界現象をつくるなんていうのは、検索エンジンでバラバラの情報を寄せ集めて世界をつくる方法とそっくりです。この検索エンジンにもハッシュ関数発想は使われているし、暗号やセキュリティにもハッシュ関数は使われています。一見ナンセンスの情報が、関数という関係を通して意味のある世界をつくるのです。

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★もともと私たち人類の原初は、初めから意味のあるものを見出すのではなく、石ころや木片のような断片的なモノを意味ある道具につくってきたわけです。ブリコラージュとか野生の思考と言われていますが、それは今やハッシュ関数思考に現代化されています。

★しかし、近代化によって、野生の思考は失われ、はじめから意味のあるモノや言葉が大量に編集され、それを読み解く思考が一般化しました。意味あるものをインプット→意味あるものをアウトプット。そこには創造性よりも正確に転写する知識・技能の理解度が重視されてきました。

★しかし、これは言語の世界での話ですね。科学では、はじめ意味のない現象に意味を見出していく発想が求められます。言語の世界や既存の世界では、演繹推理(ディダクション)や帰納推理(インダクション)は成り立ちますが、このような意味がはじめにわからない世界を推理するには、アブダクションという仮説推理が重視されます。

★私が、勤務校で同僚と協働して行うささやかな(12人のチーム)「探究ゼミ」はこの野生の思考の現代化である「ハッシュ関数化思考」の探究です。図や写真やグラフ、断片的文章などバラバラの情報から、いかにしたら世界をつくることができるのかを探究します。

★結構新しいかなと思っていたら、昨夜水都国際の太田教頭と対話してみると、新しいカリキュラムのTOKのIA展示と近い考え方だと感じました。

★もちろん、IBとは違いまから、独自路線を歩みますが、世界の学びと親和性があるかどうかは大切です。独りよがりになるのは危険ですから。やはり越境的な対話は重要ですね。

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