教育のアップデート~2022年に向けて(29)新しい学校選択視点 <同窓力><同僚性><革新性><超越性><成長力>
★昨年10月から始まったGLICC Weekly EDU(GWE)は、毎週金曜日午後9:00から20:00まで配信されます。先週でもう37回になっています。私もコメンテーターとして34回出演させていただきました。グローバルな視野かつ歴史的視野で、世界の教育を見据えつつ、いまここでわが子が優しく逞しく世界を変えるように成長できる学校の先生に登壇していただいています。
★Youtubeの良さで、ついつい意気投合して時間を忘れ、予定時間を超えるというのが恒例になってしまいました。ライブでありながら録画がそのままYoutubeで視聴できますから、何度も視聴できるし、ショートカットして見ることができるので、いろいろな意味で便利です。
★しかも、予定時間を超えるというのは、学校説明会では聞くことができない、バックヤードの実情やディープな教育論や学習論を聴くことができます。おそらく、情報誌のインタビューでもなかなか聞くことができない内容です。
★New Power Schoolばかりラインナップしていますから、成長神話に基づいた偏差値ランキングの話はありません。New Power Schoolの世界を射程にとらえた進路指導が、学歴社会の階層構造から解放されてワクワクするような世界で成長していく生徒の姿が語られます。
★本音トークも続出で、たとえば、34回めの八雲学園の先生方が5人も出演してくださったときの内容は笑いあり涙ありそして大切な思いやりが根底にあることなどがストレートに伝わってきます。
★共学校になった一年目、自分が想定していたのとはあまりに違う特徴の生徒が入ってきて、ああこれで私の大好きな八雲は終わったなあと思ったと、普段説明会では絶対聞けないような話題がでてきます。もちろん、オチは、中学から高校にシフトする時期が近づいてきたころ、生徒の方から気遣いの声をかけてくれて、容姿もすっかり大人になって、こんなに成長したのかと泣きたくなりましたというわけです。
★今では、共学校になってよかったし、自分たちの不安は今や自信に転換されているというのです。生徒と共に成長する教師の姿が手に取るようにわかる番組です。
★そんなGWEを通して、学校選択は新しくなる予感がしています。この八雲学園の5人の先生方の中に菅原副校長がいるわけですが、実は他の4人の先生方は年齢は違うのですが、全員、菅原先生が学年主任だったり担任だったりしたとき生徒だったのです。つまり、みな菅原学年の教師なのです。
★ですから<同窓力>がそのまま教師力に反映しているのが八雲学園です。そして、卒業生としての教師とその先生方が学んだ教師が今度は<同僚性>を創り出すのです。
★しかも、大学・大学院時代に、先生方は八雲学園のすばらしさを感じ、ますます八雲学園の伝統を継承しようと断固たる思いが育つわけです。そして、同時に新しい教育の体験も積んできますから、<革新性>をダイレクトに<同僚性>に持ち込みます。
★八雲学園は、外部の団体のパッケージを結びつけるかどうかトップダウンで決めるのは必要最低限度です。基本、結びつける理由は、生徒や同僚が声を上げ、熟議してからでないと結びつきません。生徒の自発的な言動が大切です。実は、これが卒業後に<同窓力>となって、革新的な学習コンテンツを導入するという循環になっています。したがって、<同僚性>は、教師間、生徒間、教師と生徒の間の関係を含みます。
★ですから、八雲学園では、<同窓力>と<同僚性>が循環し、それゆえ<革新性>が受け入れられるのです。このような循環が生徒の<成長力>を生み出すエンジンになっています。
★そして、この<革新性>を生み出す時、八雲学園はなんでも超一流の体験という<超越性>が伝統です。ホテルも研修旅行も破格です。交流する場合もイエール大学という超一流と行われます。加盟する団体もラウンドスクエアという、これもまた超一流の世界の私立学校の共同体です。21世紀型教育機構にも加盟していますが、21世紀型教育において突出した学校の集まりという点では<超越性>があるかもしれません(汗)。
★かくして、New Power Schoolという学校は、<同窓力><同僚性><革新性><超越性><成長力>という5つの本質的視点でとらえなおすことができるのはないかと思います。
★今回は八雲学園の例で語りましたが、GWEを視聴し直して、他のNew Power Schoolも見てみたいと思います。
| 固定リンク
« 21世紀型教育機構のワークショップ 緊急事態宣言発令に伴いオンラインワークショップに速やかにシフト 新しい社会のロールモデル | トップページ | 教育のアップデート~2022年に向けて(30)新しい教師続々出現 最先端×教育力×影響力×変容力 制度的改革を超えて »
「創造的才能」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(28)工学院と聖学院 成長するときの響きを聴く教師(2025.03.14)
- 私学の現場の先生方と対話して 「青年即未来」 ネガティブケイパビリティを有している先生方と(2025.03.14)
- 2025東大合格者発表のシーズン(09)洗足学園 理Ⅲ 2名合格(2025.03.13)
- 私立学校の教育の質の展開(01)成城学園の生徒の視点(2025.03.09)
- フュージョン広報(01)工学院、駒女 本日学校説明会(2025.03.08)
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(28)工学院と聖学院 成長するときの響きを聴く教師(2025.03.14)
- フュージョン広報(02)富士見丘のホームページ(2025.03.10)
- フュージョン広報(01)工学院、駒女 本日学校説明会(2025.03.08)
- 工学院 <社会課題—教科―学びの根っこ>のフュージョンな学び(FBL)(2025.02.28)
- 2026中学入試準備(19)文化学園大学杉並新機軸「BSICE(文化杉並教育イノベーションセンター)」ともう一つ立ち上げる!従来型受験勉強は終わりを告げる時代の要請。(2025.02.22)
「中学入試」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(28)工学院と聖学院 成長するときの響きを聴く教師(2025.03.14)
- 2026中学入試準備(27)佼成学園 上野裕之先生の眼差し(2025.03.14)
- 私学の現場の先生方と対話して 「青年即未来」 ネガティブケイパビリティを有している先生方と(2025.03.14)
- 2026中学入試準備(26)湘南白百合 東京農業大学と高大連携(2025.03.12)
- 2025東大合格者発表のシーズン(01)変える東大のイメージ(2025.03.10)
「創造的対話」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(28)工学院と聖学院 成長するときの響きを聴く教師(2025.03.14)
- 私学の現場の先生方と対話して 「青年即未来」 ネガティブケイパビリティを有している先生方と(2025.03.14)
- 私立学校の教育の質の展開(01)成城学園の生徒の視点(2025.03.09)
- フュージョン広報(01)工学院、駒女 本日学校説明会(2025.03.08)
- 大学入試の役割が変わる 2027年から 東大藤井総長の発言の意味(2025.03.08)
「高校入試」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(28)工学院と聖学院 成長するときの響きを聴く教師(2025.03.14)
- 私学の現場の先生方と対話して 「青年即未来」 ネガティブケイパビリティを有している先生方と(2025.03.14)
- 2025年中学入試動向(26)日駒 コンパクトでパワフルなカリキュラム(2024.12.03)
- 2025年中学入試動向(22)文大杉並 interactionからtransactionへ突き抜ける(2024.11.30)
- 聖学院の教育宇宙(3)すべての教育活動をつなぐ存在としての授業があった <奇跡の男子校>(2024.11.23)
最近のコメント