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2021年8月 1日 (日)

ポストパンデミック(01)メタバースの世界構築へ 首都圏模試や工学院にみる

★2020東京五輪・パラリンピックは、緊急事態宣言下の紆余曲折の中、実行されています。このことの是非については、歴史が問い返すでしょうから、ここではその話はいったん括弧にいれます。しかし、この紆余曲折の中からオリパラだけでなかく、あらゆる分野で、次の世界構築へ動きがでています。この同時多発的に起きているそれぞれの新世界構築の部分集合を包括する全体集合は何でしょう。ザッカー・バーグさんがそれを見出したかもしれません。ユニバースからメタバースへがそれです。

Shutomo

Bloombergにこんな記事が掲載されています。『ザッカーバーグ氏、「メタバース」がフェイスブックの未来の鍵握る Kurt Wagner 2021年7月30日 13:34 』。そこにはこうあります。「ザッカーバーグ氏は「向こう数年で当社に対する人々の主な認識はソーシャルメディア企業からメタバース企業に変わると予想する」とした上で、「さまざまな意味でメタバースはソーシャルテクノロジーの究極の表現だ」と説明した。同氏がメタバースという言葉を公の場で使い始めたのは最近だが、フェイスブックはVRとAR(拡張現実)に投資するなど以前からメタバースの構築を進めてきた。」

★Wikipediaによると、「メタバース、メタヴァース (英: Metaverse) は、SF作家・ニール・スティーヴンスンによる1992年の著作『スノウ・クラッシュ』の作中で登場するインターネット上の仮想世界のこと。転じて、将来におけるインターネット環境が到達するであろうコンセプトモデルや、仮想空間サービスの通称としても用いられる。メタ (meta-) とユニバース (universe) の合成語」で、ユニバースからメタバースへということですね。

★ザッカーバーグさんが、すでにVRやARに投資をしてきたように、メタバースの動きはすでにあったわけですが、それはあくまでも、リアルなユニバースという世界の部分集合だったわけです。ところが、それが逆転・転換してメタバースが全体集合になるとザッカー・バーグさんは新しいビジョンやコンセプトを創ろうとしているというわけですね。

★SFで語られてきたことは、多く現実化しています。生徒と話していると、ドラえもんの世界はリアルになると抵抗なく語ります。しかし、それはもちろん、ハイブリッドだというわけですが、このハイブリッドという概念は、実はメタバーズを予告している橋渡しの言葉なのかもしれません。

★もちろん、メタバースはまだ実感のないコンセプトです。しかし、それがゆえに、この着手は、投資活動を活性化するとザッカー・バーグさんは考えているのでしょう。SNSの世界は広告で成り立っています。しかし、それはあくまで、リアルに向かわせる手法ですから、ロックダウンで、そのリアルが停滞してしまったために、SNS上の広告が減少したでしょう。

★私のこのホンマノオト21はフリーですから、どんなバナー広告が貼られるかコントロールできません。パンデミック以前は、教育系のブログという性格のためでしょうが、塾関係のバナーで囲まれていました。しかし、今では辟易するような広告がくっつきはじめていて、困惑しています。しかし、SNS上の経済状況が手に取るようにわかるので、今は静観していますが、そのうちこのブログも閉じて、別に立ち上げなくてはならないかもしれません。

★いずれにしても、SNSの経済的な困窮が、ザッカー・バーグさんの経済アイデアを刺激していることはあらずといえども遠からずでしょう。そんな折、首都圏模試の山下社長から、オフィス移転の一報がありました。『弊社では昨年から、コロナ禍における感染対策も含めてリモートワークを積極導入してまいりました。それによって、当初考えておりました以上にスタッフが効率的に、のびのびとした感覚で働けたことが、この度のオフィス移転を決意した大きな要因です。これを機に「未来を一歩先取りした」働き方の新体制を整え、リモートであるからこその連絡、連携、意思の疎通、さらには部署をこえた意見交換などにおいて、クラウドアプリやソフトの利点(スピーディーな対応)を生かして、受験生と保護者、学校、塾の皆様をはじめ、今後の新たな社会に貢献していきたいと考えています』と。

★ああ、やはり成功する鵜経営者というのは時代の最前線でシンクロしているのだなあと感動しました。「未来を一歩先取りした」「新たな社会」と山下社長は語ります。そして、ザッカー・バーグさんは、その先取りした新たな社会に「メタバース」という名称を転用したのです。

★山下社長も、今猛烈に「思考コード」でメタシンキングを広めるプロジェクトを動かしています。リアルなオフィスからメタオフィスに移転します。すべての業務はほぼテレワークにし、リアルなミーティングの場だけオフィスに残すということのようです。全体集合がリアルなオフィスからメタオフィスにシフトしたのです。

★すでに、同社は昨年からハイブリッド説明会を学校と協力して開始しています。学校自体はまだまだリアルなユニバースの世界ですから、そう簡単に変わりはしないと思われるかもしれませんが、実際はすでに私立学校はハイブリッドになっています。ただ、まだハイブリッドは部分集合です。

★しかし、そんな中、PBLをベースにしている工学院大学附属中学校・高等学校は、ハイブリッドの方が全体集合になるのではないかという動きをしています。すでにこのパンデミックで、ラウンドスクエア加盟校として海外のエスタブリッシュスクールとオンラインで学びの交流を行っているのですが、すべての生徒が高2でグローバルプロジェクトでハイブリッドツアー学習も行っています。

★ラウンドスクエアのこの交流にしても、参加する生徒は限定的だし、グローバルプロジェクトにしても、高2の学年ですから多くの生徒が参加するとはいえ、学校全体としては限定的です。したがって、まだハイブリッドな世界は部分集合だと思っていました。

★ところが、昨日、中2のプロジェクトツアーのブログを見て、工学院は、授業もそうですが教育活動のすべてがプロジェクトのプロトタイプを伸縮自在に発展させて動いているのだということに気づきました。

★C1英語×PBL×ICT×思考コードというプロトタイプがあらゆる教育出動でベースになりリファインされながら回転しています。特に新校長の中野先生はICTというテクノロジー分野の重鎮です。来春から「先進」という名称に変えるコースもつくります。

★ハイブリッドから先進へ。これはザッカー・バーグさんや山下社長の動きとシンクロしていると思います。ユニバースからメタバースへ。

★とはいえ、まだユニバースとメタバースは二つの世界が交わっているベン図の様相を呈するでしょう。

★ともあれ、メタバーステクノロジーと先進経営学。進路はこの方向で大きく動くかもしれません。もちろん、制度設計マインドという補集合はユニバースとメタバースの背景には常にあります。

★勤務校は、資本がないので、制度設計マインド=世界の作り方マインドに傾注するしかないかなと思っている今日この頃です。

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