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2021年6月11日 (金)

成城学園(03)青柳先生の授業の挑戦 思考コード×対話型論証×ピア

<GLICC Weekly EDU 第32回 青柳圭子先生との対話―成城学園「革新的伝統と革新的未来」>で、青柳先生と対話した際、授業の話題が当然出たわけですが、思考コードと対話型論証、そしてピアによる議論を組み合わせた新しい「主体的・対話的で深い学び」を展開されているということでした。画期的授業です。

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★たいていの場合、国語の授業では、各単元終了後、ファクトとオピニオンをそれぞれ考えて小論文を作成するという授業が多いわけです。多いと言ってもアクティブラーニングやPBLでない場合は、最後の小論文を作成するところまではいかないでしょう。

★ですから、「たいていのアクティブラーニングやPBLのような授業では」と条件をはっきりさせたほうがよいかもしれません。

★さて、どこが画期的かと言うと、このような小論文は、まだ思考コードでいえば、B2くらいですが、青柳先生はそれをC3に変換するためにトゥルーミンモデルによる「対話型論証」を活用します。

★ファクトとオピニオンで論じている中にある根拠を反証する議論をするわけです。もちろん、個人ワークでもそこまで一人で行うことはできますが、それでは、素朴な反証しか出てこない場合が多く、予定調和的です。

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(青柳先生との対話で本間が独断と偏見でイメージした図)

★そこで、青柳先生は、反証者(あ)、(い)、(う)・・・というように多様なピアで議論していこうというのです。

★自分の枠を仲間と協働して開放するわけですから、B2レベルからC3レベルに飛ぶ可能性が大です。

★もともと、成城学園は、最初からピアという関係性から学ぶシステムになっているようです。

★したがって、この思考コード×対話型論証×ピアという3つを一体化させる学びを展開するのは自然な流れなのかもしれません。

★とにかく、青柳先生は熱心にリサーチされます。そして、多くの先人の知恵を受容し、独自の授業として構成していくわけです。

★一度小学校から大学までの成城学園の先生方と対話をしたことがありますが、みな青柳先生と同じように、研究熱心で、共通の基準を探りながら、独自性を発揮していく進取の気性に富んだ才能の持ち主でした。

★教師どうしの在り方がすでにピアとしての存在です。

★成城学園のこのような教育は、自主自立を立ち上げられる個人が成長する場でありますが、その個人は<ピアとしての自己存在>だと思います。そしてその<ピアとしての自己存在>である生徒同士が対話型論証を協働していくのですから、学びのシナジー効果が溢れでるのは必然です。成城学園の雰囲気が魅力的なのは、その背景にこのような学びで満ちているからでしょう。

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