教育のアップデート~2022年に向けて(25)聖ドミニコ学園の理事長山崎先生との祈りの対話 2021年は近代的自我の変容のときだった
★昨夜は、聖ドミコ学園の創立記念日。ドミニコに思いを馳せている同学園の理事長山崎先生と対話することができました。対話の場は、GLICC Weekly EDU 第33回 聖ドミニコ学園理事長山崎昭彦先生との対話―「カトリックの普遍的革新的精神とは」で行われました。そして、山崎理事長は、まるで神父様のように祈りの対話を繰り広げていきました。
★カトリック学校は多様ですが、根っこはいっしょです。山崎先生のお話に耳を傾ければ、そのことがわかりますが、実は、ヨーロッパにおいて、カトリックの精神の基盤を形成したのは、歴史的にはドミニコ会でした。もちろん、フランシスコ会やのちのイエズス会も当然関係していますが、精神の構造を決定づけたのはドミニコ会でした。
★なぜなら、近代的自我の枠組をつくったからです。
★もちろん、ドミニコ会の自我の在り方は、近代的自我とは違います。何が違うかと言うと、自己存在の根拠が違うのです。ドミニコにとって自己存在は神によって支えられているわけです。しかし、近代的自我は神は死んだと言って、捨て去ります。
★ここにパラドクスが生まれます。ドミニコは神を受け入れることによって、物質的な所有は捨ててしまいます。近代的自我は神を捨てることによって欲望の所有を手に入れます。
★そして、その幾何級数的に増える所有が、自然環境や人間関係、自己存在の精神性を破壊しながら今に到っています。
★自我の構造を創りながら、支えているものをすり替えていくことによって、欲望の資本主義が増大してきたわけですが、今回のパンデミックで、政治力学的にはいろいろな思惑がありますが、この無限の欲望をなんとかしようという動きも生まれてきました。
★それが、このドミニコ没後800年を迎えた今年2021年なのです。
★新学習指導要領で、「主体的・対話的で深い学び」というメインストリームがちょうど生まれました。まるで、ドミニコの精神が明確に現れたようです。なぜならドミニコと言えば「対話」なのです。
★近代的自我の原点は表現の自由です。つまり対話の自由です。しかし、近代的自我の対話は、祈りの対話ではありません。もっと科学主義的対話です。
★ドミニコ没後800年という2021年に、科学主義的対話を否定するのではなく、祈りの対話も復活しようという動きになっているということが山崎先生と分かち合うことができました。多くの気づきを頂きました。ありがとうございました。詳しくはぜひYoutubeをご覧いただきたいと思いますよ。
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