文化学園大学杉並の染谷先生 New Power Schoolの価値と作り方を語る
★まずは、このYouTubeをご覧いただきたいと思います。<GLICC Weekly EDU 第35回 文化学園大学杉並中高STEAMプロジェクトリーダー染谷昌亮先生との対話「学内ダイバーシティと探究創造活動」>。
★若き私学人染谷昌亮先生のNew Power Schoolづくりに対する想いがストレートに伝わってきます。明るく、かけがえのない生徒1人ひとり価値を真摯に大切にする姿勢、そしてスキルフルで、いかに複眼思考の持ち主であるかがわかります。
★また、文化学園大学杉並のリソースを自身の世界的視野・国際経験に結びつけて新しい学びや学校の在り方を構築している様子に、私学の可能性を感じます。
★文化学園大学杉並の系列の大学は、実は毎年ファッション部門で世界大学ランキング10位以内に入っている程のビッグネームです。アメリカのビジネスマガジン、CEOWORLD magazineが『世界のファッションスクールランキング2021』を発表していますが、世界各国のファッションスクールの中で、文化服装学院が8位にランクインしています。
★このリソースが、現在の文杉の破格のグローバル教育DDコースが出発する土台となっています。カナダのブリティッシュコロンビア州が文化学園大学杉並と提携契約をする際に、この世界的なレベルのクリエイティブティの社会実装がすでにあることは重要な決め手になったようです。
★ダブルディプロマやデュアルディプロマは、今では多くの学校が世界各国と提携していますが、その先駆けが同校だったことは、New Power Schoolが生まれる諸条件を考える場合、知っておくべき価値があります。おそらく日本の教育史に残るでしょう。すでに文科省は文杉とダブルディプロマの在り方について研究を開始しています。
★同校のDDコースは、今では高校のみならず、中学から始まるほど大きな展開になっていますが、その詳しい話は、ぜひ今回のYouTubeをご視聴ください。
★また、染谷先生は、広報部長補佐であると同時に理科主任であり、STEAMプロジェクトリーダーです。マルチインテリジェンスの才能者です。そして実に寛容な精神の持ち主でもあります。
★ですから、STEAMのコンセプトも個別最適化のようなICT教育がベースではなくて、「他者とのかかわり」がベースです。つまり寛容の精神です。PBLを実施しているので、当たり前ですが、日本の現状では個別最適化に傾斜しがちですが、染谷先生のコンセプトはそれとは違います。
★この違いは、たんに考え方の違いではありません。染谷先生の海外経験がかかわっているからです。香港や武漢で起きている社会現象や社会的事件は、私たちの記憶に新しいのですが、染谷先生は香港でその中で生きる経験をしています。
★その目の前で起きている世界の矛盾の縮図の中で、染谷先生は世界の矛盾や弱者に接する態度の重要性に気づいています。今世界のリーダーの共通の思いとシンクロしています。
★ダイバーシティーとかプロジェクトというのは、この世界の矛盾や弱者に接する態度に思いを馳せる体験で、そこから根源的な問題に気づき、だからこそそれを解決するには多くのネットワークと協働し、創造的活動を起こしていく必要があるわけですが、染谷先生と生徒が行っているSTEAMプロジェクトは、まさにそこから出発しています。
★すでに世界の舞台で生徒は、多くのプロジェクトを展開しています。その具体的な話については、YouTubeをぜひご覧いただきたいと思います。
★いずれにしても、染谷先生も生徒も、クリエイティブクラスの条件3T(Talent:才能、Technology:技術、Tolerance:寛容)を満たしています。世界の産業構造は、第一次産業、第二次産業、第三次産業の次の第4次産業に変容しているわけですが、その新しい産業を牽引する新しいグローバル市民はクリエイティブクラスと呼ばれています。
★日本では、クリエイティブクラスというのは、まだ産業構造の変容を示す名称ではなく、たんなる創造的な仕事を従来の産業構造の中で行っている人材の名づけぐらいにしか思われていません。
★この世界と日本の意識の差をしっかり認識しながら新しい教育に挑戦している染谷先生は、いずれ直面せざるを得ない日本の国の転換の時に、学校を超えて、そして生徒と共に活躍するでしょう。とにかく、生徒の未来の希望、日本社会の希望、世界の希望がここにあると、確かな手ごたえを感じました。
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