★勤務校で、昨日体育祭がありました。午前中はさわやかな快晴、しかし午後はこのままいくと熱中症とか心配だなあと思っていると薄っすらと雲が広がり、小雨がパラ。グラウンドに涼風が吹きました。さすがパウロの森です。これまでの雨天で地面が湿っていますから、太陽光で蒸発し山が故に過冷却の雲がたちまち広がったのでしょう。
★雨天決行ではなく、直後に延期すると自然が複雑適合系のシステムでそっと助けてくれるわけですね。
★とはいえ、イベントは、バックヤードが大変です。始める前の準備、終わった後の準備。疲れはしますが、教師と生徒の絆は深まるばかりです。集中と開放も必要です。それゆえ、明日は休みです。とはいえ、創立記念日と入れ替えただけで、年間のカリキュラム進行に支障はありません。
★さて、私はというと、これまで、いくつかのクラス(全日とエンカレッジ)で「世界の作り方」ベースのワークショップをやっているのと前回と今回のイベントで生徒たちの活躍をみていて、少し個々の生徒のリアルなデータがインプットされたので、忘れないうちに整理しようと思い、ベネッセのファインシステムを開いて、夏までの生徒の5側面の学びの方略をモニタリングしてみました。
★5側面とは、フィジカル、ソーシャル、メンタル、コグニティブ、スピリチュアリティです。リアルなイベントにおける生徒の反応で、この5つの側面(<ピアとしての自己存在>形成の側面でもあります)は感じます。ワークショップではワークシートを活用したりしますから、感じると同時に分析もできます。
★そしてスタサポのような外部テストで、戦略的な構成を見通すことができます。
★もっとも、外部テストも生徒自身の問いに対する反応率ですから、客観的ではなく、あくまで外部との相互主観として独りよがりにならないためにという条件が大切ですね。
★スタサポは、学力テストだけでなく、生徒1人ひとりの学習状況というか学習方略度みたいなものも見ることができるアンケートをとっています。
★このアンケートで、フィジカル、メンタル、スピリチュアリティがある程度見えます。学力に関しては、テストの評価分析が参考になります。ソーシャルに関しては、イベントやワークショップで直観できます。
★こうして、授業をもっていない私の中で、生徒1人ひとりの5側面の輪郭が見えてくるわけです。
★そして、勤務校では、毎週1時間、学年会、生活指導部会、教務部会、広報部会、グローバル部会で、全体と個人の情報共有がされます。それとこちらは毎日なのですが、保健室の利用状況と毎日の出席状況のモニタリングが行われます。それらが週に1度の校務会議(各部長と事務長、校長・教頭で構成する会議)でさらに共有され戦術の確認及び軌道修正をしていきます。これ以外に委員会と称しているプロジェクトが随時動いています。プロジェクトは学習方略とICTシステム構築が中心です。また、面談も随時展開しています。以上すべての情報が、週に一度の運営会議という理事長と事務長、校長・教頭で構成する会議に集約され戦略の確認と軌道修正をしています。
★私が参加するのは、校務会議と運営会議といくつかのプロジェクトですが、すべて議事録があがってくるので、朝はこれらの創造的読解です。一部はグラフ化して、全体の雰囲気がどうなっているかをモニタリングできるようにしたりしています。
★ときどき授業もリサーチします。こうしてリアルな生徒情報を集め、フィンシステムをさらに重ねてモニタリングしていくことで、いまここでと一歩先と少し遠くまでどうするか無い知恵を絞るわけですが、たいていは、今ちょっと時間大丈夫?といって、先生方に聞きまくりです。
★さてファインシステムですが、具体的にここでは紹介できません(著作権の問題があるので、とはいえ、多くの学校で活用されているので、予想はつくと思います)が、生徒の気持ちがわかります。もちろんズレはあるのは当たり前です。ですから、朝スクールバスから降りてくるときの挨拶の仕方や目の光や授業の様子でマッチングをかけるわけです。それから、遅刻などしてくると生徒はいったん自分で職員室に報告に来ますから、その理由などで様子がストレートにわかります。
★どんな状況がわかるかというと、項目をそのまま紹介できないので、自分なりにキーワードで置換えると、意欲的、不安定な自分軸、受動的、創発的などの気持ちがわかるのです。それから、平日と休日の自宅での勉強時間がわかります。時間の長さよりもその差異が意味するものを創造的読解をすることがポイントです。
★また、コンディションは就寝時間などで推察できます。
★さらに、学習方略の3タイプの特徴がわかります。この3タイプの概念は、首都圏模試センターの思考コードのA、B、Cに対応するかもしれませんし、学力の3要素とも重なるかもしれません。ベネッセさん自体は、ここはまだそれほど強調はしていませんが。おそらくカギになるのではと思っています。
★このような情報と学力データをマッチングさせ、さらに勤務校で先生方が対話して共有している情報を重ねると、1人ひとりの5側面のサポートをどうするかが見えてきます。私の役目は、このように細部を全体に結びつけるメタモニタリングですから、ファインシステムは助かります。
★今のところ、ファインシステムから必要な情報を取り出し、組み合わせてA3用紙1枚(各クラス)で見られるように、スプレッドシートを編集したり、グラフ化するのにかなりの時間がかかってしまいます。調べたり電話してベネッセさんのスタッフの方に教えてもらったりしているとあっという間です。
★ですから、これを先生方にしてもらうには時間がありません。したがって、私の方で作成して、学年主任兼進路指導部長兼教頭と共有して、どのように仕掛けていくか対話をします。教頭とは思考コードを共有しているので、話が圧縮でき、時間効率のよいかつ深い対話ができます。
★その過程で、PBL授業の新しいルールや創立記念日のパフォーマンスを神父主導から生徒主導に切り替えようとか、探究ゼミの在り方をブラッシュアップしようとか、夏期講習の構成と中身をアップデートしようとか、これまでの枠内でのバージョンアップをしていきます。
★今年は枠組みを変えないから大丈夫と言いながら、枠内のアップデートはしていくわけですから、忙しくなるわけです。ここだけでの話ですが。。。とにも頭が下がります。生徒の状況をパターン化しつつ複雑適合化による個別最適化をしてパターンを崩すというわけですから。
★数学科は、基本データサイエンティスト集団なので、そこは彼らに聴きまくりです。いずれにしても、ファインシステムはメタモニタリングデータの宝庫ですね。そして、それを活用する視点は首都圏模試の「思考コード」が役に立ちます。
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