教育のアップデート~2022年に向けて(13)「思考コード」の<C3>の新たな価値に気づく。思考力入試や限界超えるグローバル教育を行っている学校の共通の特徴
★ここのところ、教皇フランシスコの語る「霊性」について考えて(reflect)いるわけです。このthinkというよりreflectという意味で考えるというのは観想(contemplation)かもしれません。自宅は修道院でも教会でもありません。ささやかな市民生活をおくる場です。今回のパンデミックでもう一つの母国に帰国できない8カ月の孫と遊びながらというか遊んでいるのを見守りながら考えているわけです。スマホで、教皇フランシスコのブログをdeepl翻訳しながら(汗)。
★すると、こんな文章を見つけました。
we reflected on that lack of deep spirituality which turns into pessimism, fatalism, and mistrust. Some people do not commit themselves to mission because they think that nothing will change and that it is useless to make the effort. They think: “Why should I deny myself my comforts and pleasures if I won’t see any significant result?”
(APOSTOLIC EXHORTATION EVANGELII GAUDIUM OF THE HOLY FATHER FRANCIS)
★教皇が言っている霊性とは、スピリチャリティという英語の訳です。これは特別な訳ではなく、一般的だし、スピリチャリティは欧米ではよく使われるでしょう。ドイツ語だと「ガイスト」です。訳語としては精神という方が一般的でしょうか。霊性とは一般的には使いませんね。ヘーゲルの精神現象学もガイストだし、今NHKで落合陽一さんといっしょに登場してくるドイツの若き俊英の哲学者マルクス・ガブリエルさんも「ガイスト」を21世紀のキーワードとしています。
★霊性と言うと、日本ではキリスト教などの宗教限定用語になってしまいますが、スピリチャリティというと欧米では市民生活でも使う言葉なのかもしれません。
★それはともかっく、この教皇フランシスコの文章は、「私たちは、深い精神性が不足していると、悲観主義や宿命論、不信へ向かってしまうことについて考えてきました。コミットする必要などないのだという人がいます。彼らは何も変わらないのだし、努力なんて無駄なのですからと。どうして安心安全で満たされ快適な今の自分を、たいして重大な成果も得られないのに、放棄しなければならないのか」というわけです。
★この文章は、カトリックの世界だけの話でしょうか?2089年、今の≪Z世代≫が高齢者になっているとき、彼らはどんな世界を創っているのでしょう。少なくとも、今のような差別や戦争、環境破壊など多くの脅威がひしめく世界であってよいはずはないのです。
★それなのに、自分には関係ない、とりあえずこの学歴社会の中で椅子取りゲームの勝者になればよいですまされるはずはないというのは、カトリックの世界だけの話ではなく、日本の、いや世界の共通の認識です。
★あらゆる領域でこの認識が広まり、あらゆる領域で小さな秘密の小部屋が作られ、その部屋同士があたかもテレワークでつながるように連帯していくことで、2089年のグローバル市民革命は成功するでしょう。2089年の100年前の1989年はベルリンの壁が崩壊しました。その100年前の1898年は、明治憲法が成立し、未熟ではありますがアジアに民主国家が誕生しました。その100年前の1789年は、フランス革命が、その100年前の1689年は、イギリスで名誉革命が、民主革命の第一歩がスタートしました。その100年前から200年前にかけて、ルネサンス、宗教改革が疾風怒濤のごとく起こっていました。
★このような歴史に学びながら未来を創る信念は、Deep spritualityそのものでしょう。それは人によって、霊性かもしれなし、マインフルネスかもしれないし、ガイストかもしれなし、インスピレーションかもしれないし、クリエイティビティかもしれません。しかし、今目の前で変化が起きないからと、易きに流れることはありません。
★これを思考コードでいえば<C3>がその徴です。思考コードの<C3>を大切にして筋金入りの思考力入試をつくっている学校、たとえば、聖学院、工学院、和洋九段女子、静岡聖光学院、かえつ有明、大妻中野は、確かにDeep spiritualityを大切にしている希望の私学です。
★八雲学園のように<C3>に収まりきりない破格の限界を超えるグローバル体験を共有するコミュニティに所属している学校(工学院もそうです)は、まさにDeep spiritualityを大切にしている希望の学校です。そういえば、八雲学園には、お忍びでダライ・ラマ法王が訪れていたほどです。
★勤務校も、授業を含めてすべての教育活動にDeep spiricualityが反映するようにワンチーム体制になっています。
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