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2021年4月30日 (金)

教育のアップデート~2022年に向けて(10)カトリック学校の今後のかじ取り 若松英輔さんの講演を通して

★本日(4月30日)午前中、日本カトリック学校連合会 第33回「校長・理事長・総長管区長の集い」がオンラインで開催されました。日本の幼小中高大のカトリック学校から160人の方々が参加していました。基本ウェビナーですから、最後の分かち合いに参加しなければ、各参加者の顔だけ見ながら、講演などを聴くスタイルでした。私は、午後の分かち合いには出ませんでしたが、午後の基調講演は聞きました。

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★その講演は、若松英輔さん(批評家・随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授)によるものでした。テーマは、<「いつくしみ」の神学――教皇フランシスコの霊性>でした。

★興味深かったのは、カトリック学校でありながら、この霊性をきちんと教育していない学校は、経済的にも経営上もうまくいていないところが多いということでした。では、霊性だけでおこなっていればよいのかというと、そんなことはありません。

★若松さんがいいたかったことは、理性と知性と感性をうまくやって経営的にうまくいっていたとしても、それはカトリック校ではないというのです。ポストコロナのカトリック校は、冷静の教育を行い、カトリック校としてのアイデンティティを持つべきなのだと。

★がしかし、霊性だけやったとしても、これまた経営上うまくいかないのだと。しかし、目に見えないものを大事にしているのだから、貫き通せばよいのだというわけではないでしょう。

★人間力というのは、理性も知性も感性も必要です。そしてカトリック校ならば霊性もというわけでしょう。

★ところで、霊性とは何でしょう。それは1人ひとりによって違います。いつ降りてくるかはわからないからです。ただ、その機会を待つために、観想という行為はした方が良いということでしょう。

★降りてくる機会をつくるルーチンはそれぞれによって違います。

★カトリック関連行事を行えば、観想ができるかというと、それは個人によって違います。

★若松さんは、教皇フランシスコの次の言葉を引用します。

 いつくしみの文化は、熱心な祈りや聖霊の働きの素直な受容、聖人たちの生き方を詳しく知ることや、貧しい人々の近くにあることで形をとります。それは、かかわりが求められている状況を、わたしたちが見過ごさなように迫ります。「いつくしみの理論化」の誘惑は、参与と分かち合いが、わたしたちの日常生活の一部となる程度に応じて克服されます。(教皇フランシスコ使徒的書簡「あわれみあるかたと、あわれな女」p.34 )

★一見わかりやすいパラグラフですが、これは、ドミニコ会とフランシスコ会が歴史上仲が悪かったことが現われている実に重要な箇所です。

★ドミニコ会は、ヨーロッパの神学や哲学を理論化した修道院です。時同じくして聖フランシスコは、直接自然と神の声を受容する修道会を結成しました。

★もっとも、聖ドミニコと聖フランシスコは仲が良かったということですが。

★いずれにしても、カトリックは一つであるのですが、アイデンティティは同じでも、それぞれに違うということです。ただ言えることは、ドミニコ会は女子修道会をつくるのに大きな功績をのこしました。今から考えると、何が功績なのかわかりにくいですが、当時は今では想像もできないジェンダーギャップがあったわけです。

★そこのケアに励んだということなのでしょう。

★聖フランシスコはプロテスタントの人びとからも人気がありますが、聖ドミニコはたぶんあまり人気がないのですが、聖ドミニコの精神は、修道会に引き継がれ、宗教改革やフランス革命の準備をしていたのはドミニコ会士であることが多かったからです。

★さて、カトリック学校が互いにアイデンティティを確認しながら、それぞれが独自に教育出動をしていく以外に方法はないのでしょうか。歴史に学べば、そういうことになります。ドミニコ会とフランシスコ会に限らず多くの修道会ができたのですから。

★しかし、それでは、困難を極めるカトリック学校もでてきます。では、どうしたらよいのでしょうか。考えてみます。おそらく、それは観想に結びつくことでしょうから。

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