GLICC Weekly EDU(30) 聖学院 数学教師 本橋先生 M型思考力入試を語る 能ある鷹は
★昨夜16日(金)、GLICC Weekly EDU 第26回「グローバル時代の数学とは 聖学院 本橋真紀子先生との対話」が配信されました。本橋先生は数学の教師でありながら、英語やカンボジア語など堪能で多言語主義者です。実際、高校時代から大学まで米国留学をしていました。大学でのメジャーは数学です。本橋先生の日本における数学科教師の歩んできた道は、極めて先進的でした。聖学院は、基本的には、中1から担任は高3まで持ち上がりです。ですから、7年前に卒業生を出したとき、その学年は13年前から担任としてかかわっていたのです。
★つまり、新学習指導要領で、「深い学び」や「探究」が登場する前から実践していたわけです。しかし、その道はなかなかたいへんでした。ジレンマに耐えながら、屈することなく独自の路線を貫いてきたといえるでしょう。
★本橋先生の教育哲学は、好奇心を大切にするところが原点です。ところが、日本の教育は、長らく大学入試に出るから学ぶという1人ひとりの個性を主観的だからと、あまり顧みなかったのです。もちろん、20世紀末から、個性が重視され始めましたが、それが個人主義や新自由主義的社会風潮によって、本質が見失われてきました。
★好奇心や主観、個性を大事にしながら、そこから世界にかかわっていく教育は、本橋先生の教育哲学だし、聖学院のOnly One for Othersという理念ともシンクロしています。このような教育哲学は、最近才能主義とみなされ注目され始めています。
★一方で、従来の大学入試や資格試験に出るからという発想は、能力主義と言われ、勝ち組負け組発想を生み出しました。
★本橋先生は、能力主義一色の時代から、授業の中で才能主義の火を消さないように奮闘してきたのです。その結晶の1つが同校の入試におけるM型思考力入試です。生徒の才能が生き生きと躍動する入試なのです。才能主義入試ですね。
★もちろん、今でも能力主義は厳然と社会の中心に居座っていますから、無視するわけにはいきません。能力主義かつ才能主義の実存的授業を行っていくわけです。
★しかし、今では、聖学院のすべての教師が同じ想いで教育に取り組んでいます。聖学院が才能主義と能力主義を乗り越える第三の教育哲学を開発実勢していると言えるでしょう。
★好奇心×自己開示×協働×意味づくり。これぞグローバル時代の数学的思考のベースであり、本橋先生の数学的思考は諸学の基礎であるという信念です。この信念の結晶体がM型思考力入試といえましょう。
★今年は、中1から共に学んできた高3の学年主任です。7年前もそうでしたが、本橋学年ロスは、来年の今ごろまだまだ消えないことでしょう。
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