東大合格実績2021から見えるキャリアデザインの特殊化と普遍化の2極化(02)麻布、西大和、洗足、横浜雙葉、日比谷、横浜翠嵐、浦和
★インターエデユ「速報!2021年 東大・京大・難関大学合格者ランキング」によると、今年は、麻布はいつも通りの合格者でした。昨年60人台になったので、あれッと思いましたが、浪人生の数が少ないだけでした。麻布は現役で50人弱、浪人で40人弱が合格するというのが、恒例なのですが、昨年はこのところ麻布らしくない高実績をだしていたので、浪人が少なかったということだったのでしょう。
★逆に開成は、今年は数を減らしました。とはいえランキンク1位であることに変わりはありません。浪人生が少なかったというだけです。現役で100人強合格するのが同校の常です。
★要するに、東大合格大量校は相も変わらずです。米国ならちょっと問題になりますね。民主国家だとそういうことになるのはもう説明するまでもないでしょう。米国などは、平等にする法制度も完備しています。もちろん逆差別問題なども起こっていますが。
★本来は、思い切って各高校から1人の枠で5000人定員にすればよいだけなのですが。。。
★そうすれば、女子校もあるので、東大に進学する女子生徒も多くなるでしょう。共学が多いので、逆転するかもしれませんが。
★そんな夢みたいな話は、さておいて、西大和の勢いが目立ちますね。数などは、インターエデュのサイトをご覧ください。もしかしたら、京大の数を含めると、相当な勢いかもしれません。
★西大和のすばらしいところは、ただ合格人数を出すだけではなく、グローバル教育にも力を入れているし、新しいタイプの入試も実施していて、多面的にクオリティを磨きあげているところですね。
★開成のようであり、栄東のようであり、洗足学園のようであるといったらよいかもしれません。東大学歴階層構造を内側から変えてくれる人材が育っているような予感がします。
★日比谷が渋幕に迫る勢いになってきました。横浜翠嵐が浅野や栄光、海城をおさえる合格者数を出しています。海城のすぐあとに埼玉の浦和が追いついてきています。渋谷教育学園渋谷をおさえてですから勢いがありますね。
★首都圏は、いよいよ東大学歴階層構造の上位圏は、私立優位の時代は終わるかもしれません。ある意味、富裕層だけではなくなりますから、少し閉じられたシステムが開かれるようになりますが、それと日本を救おうとするかどうかは別問題です。そこはネガティブでもポジティブでもないですが、開かれる兆しは歓迎です。
★また、洗足、横浜雙葉が両方とも10人合格させています。ついに学歴エリート校の中に入りました。洗足はグローバル教育は御三家や豊島岡に比べ破格ですから、同じエリート校といっても、どこか違うかもしれません。また横浜雙葉は、カトリック学校ですから、何か違うかもしれませんが、逆に学内で何かが変わったのかもしれません。
★もともとカトリックの学校は、学歴エリート校になるのは躊躇する精神性があります。でも、そこを違う東大に入って内側から変えればよいのだから、東大進学数とカトリック精神は矛盾しないという聖光学院のような信念を持てば、横浜雙葉の生徒は潜在的能力を持っているので、合格実績を伸ばすのに時間はかかりません。
★鴎友学園女子のように、そこにはこだわりがあり、東大に行くにも相当な意味を感じて挑むという学校では、洗足と同じくらい人気がある難関校となっても東大に10人以上入れようという学内の動きはなかなか生まれないでしょう。
★つまり、鴎友は東大の社会のおける役割や意義を考えるから受験すれば合格する生徒が洗足や横浜雙葉のようにいるにもあっかわらず、そうはならない背景がかちゃんとあるわけです。かといって、New Power Schoolになろうとするかといえば、それはそれで、学内で議論が起こります。非属の学校を貫いているのだと思います。
★かくして、東大学歴階層構造も開かれたシステムへとなり始めたし、まだまだ遠いと問い返す高偏差値校どうしの色合いが多彩になってきたとしたらしたらそれはそれでよいことです。
★しかし、まずは、東大は同じ学校から10人以上はとらないとルールづけしたら、日本の教育はだいぶ変わるなあという景色が目に見えるような気がしませんか(汗)。それはともかく、色合いがなぜ多彩になってくるのでしょう。それはもちろん、時代の良心の声が強くなってきたからです。
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