GLICC代表鈴木裕之さん なぜグローバルアドミッションの時代なのか?! ヤバイ話の二重性大いに語る。トランジションアドミッションの必要性のヒントを頂きました!感謝です!
★昨日GLICC代表鈴木裕之さんは、「海外帰国生のためのオンライン進学説明会」を開催。おそらく塾業界のほとんどの人が気づいていないヤバイ話です。しかも2時間を超えるトークをやってのけたのです。ウェビナーとして参加していましたが、あまりにおもしろいし恐ろしいし、それがゆえにそこを超えれば希望がやってくるという二重のヤバイ話。あっという間に時間は過ぎ去りました。
★簡単に言ってしまえば、2020年大学入試改革は、一見滞っているようにみえるけれど、それはドメスティックアドミッションの話で、各大学はグローバルアドーミッションに移行しつつあるという話なのです。ドメスティックなアドミッション、つまり国内のアドミッションの改革は、そこしか見えていないで、常に対処療法でしか解決策を考えられない方々が足を引っ張るからなかなか進まない。
★しかし、グローバルアドミッションは、そういう方々の範疇を超えているし、興味と関心をもたれない箇所だから、どんどん進めていけるといういうことなのです。そもそも大学入試における帰国生入試は、国内の高校には関係ない話だと思われています。
★しかしながら、IBだとかIBに相当するダブルディプロマコース、UPAA提携学校、インターナショナルコースを持っている高校は、そこに関心があります。IBやダブルディプロマコースを持っている学校で学んでいる生徒は、そのまま帰国生入試を受けられるし、UPAA提携校で学んでいる生徒は、今のところマンチェスター大学など海外大学受験となりますが、いずれそのうちにIBのようになっていくでしょう。すくなくともインターナショナルコースを有している学校で学んでいる生徒が、総合型選抜や公募推薦の中のグローバル入試を受験するように、UPAA提携学校で学んだ生徒もそういう道を選択するようになるでしょう。
★外部検定試験は、一般入試では猛反発をくらうわけですが、以上のようなグローバルアドミッションにおいては、極めて重要です。もちろん、CEFRでC1を取得できるレベルだと、一般入試でもかなりアドバンテージが高いと鈴木さんは、東大の合格得点結果で説明しています。
★ともあれ、定員厳格主義があるわけですから、帰国生入試の数が増えることで、一般入試は難しくなります(ここの本当の意味はとてつもなく恐ろしいのですが、気が付かなければそれまでです。いずれ考察しましょう)。さらに総合型選抜も英語力と思考力と経験値と社会貢献度というまるで海外大学入試に必要な入試制度への試験は、隠れグローバルアドミッションです。
★がしかし、ヤバイ話というのは、そういうことではないのです。実は帰国生入試以外に、各大学が今力を入れ始めた入試は外国学校入試です。つまり留学生のための入試です。国連やOECDなどのデータを見るまでもなく、日本は急激に生産年齢人口が減ります。上記のグラフの中で激減する国です。また、在留学外国人率もめちゃくちゃ低いですね。
★EVだとか脱炭素社会が間近にせまっていて、高度人材が必要だと。その高度人材は、もはや現状のドメスティックアドミッションのシステムでは生まれないので、帰国生と総合型選抜などで専門意識や研究プロジェクト向きの学生を大量にとらなければならないのは歴史的必然なのです。
★しかし、それだけでは足りないのです。そこで、外国学校入試で中国、東南アジアから優秀でハングリーな学生をゲットしようとグローバルアドミッションを開始しているのです。
★すでに理系の大学院の博士後期は、半分が留学生と言ってもいいかもしれません。その流れが博士前期にも及び、やがては学部にも及ぶということになるのでしょう。
★多様化がなければイノベーションは起きにくいと言われていますから、EVと脱炭素社会に向けて拍車がかかるでしょう。
★しかも、これは理系だけの話というわけではないのです。そのような高度人材を支えるマネジメントの高度人材も必要です。文理融合型の学際的な専門性が問われるのです。
★かつては、外交を中心とする一部の官僚が英語が出来ればよかったのです。それが商社にひろがり、グローバル企業に拡大し、それで帰国生入試が注目されるようになってきたのですが、さらに国内一般企業にも波及しつつあるのです。
★それはこのコロナ禍にあって、ITやWeb関連産業が活況を帯びていることからも想像は難くないはずです。
★私のようなドメスティックな生活をしている市民でも、多くの東南アジアや中国の留学生と出遭いがあります。この流れは加速しているのでしょう。もちろん、現状のパンデミックではそれは目立ちませんが、もはやZoomなどで広範囲に加速しています。
★鈴木さんが事務局をしているNew Power Schoolのコミュニティは、実際にそのような流れに乗っていて、もはや偏差値というドメスティックな尺度では通用しなくなっている世界の到来の最前線にいます。今回のセミナーでは、New Power Schoolの紹介もされていました。
★日本の多くの人が気づいていない、グローバルアドミッションの話、それを見定めている中高大学の紹介、そのような中高大学に合格するための英語力と思考力の対策の方法など、2時間を超えるプレゼンテーションは、海外駐在の方々に大好評のうちに幕を閉じました。
★私も4月から共に学ぶ高校生とどんなプログラムを創造していくのか大きなヒントをもらいました。おそらく今ドメスティックなアドミッションで想定しているようなもではなく、かといってグローバルアドミッションにすぐにつながらないわけですから第三のキャリアデザインを考える必要があります。さてさて、どうするか。その解決方法はトランジションアドミッションプログラムだなと確信しました。
★4月から共に学ぶ高校生は、偏差値装備がはじめからなされているわけではないので、逆手にとって、その装備をさせることなく、別のトランジションアドミッション装備を創り上げることが大切なのだと感じた次第です。鈴木さん、ありがとうございました。
| 固定リンク
« 八雲学園 共学1期生男子 プレゼンで人の心を動かす術教えます(了)在校生とOGからのメッセージ | トップページ | New Power School(06)文化学園大学杉並 オンライングローバル説明会はやくも追加開催の意味 »
「創造的才能」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(14)問いの循環思考が行われる授業 すてきです。(2025.02.18)
- 2026中学入試準備(10)富士見丘の突出型グローバル教育 チームワークと自分の言葉としての英語へ(2025.02.15)
- 2026中学入試準備(08)MiddleからCreativeへ ようやく(2025.02.13)
- 2025年中学入試動向(13)和洋九段女子 生徒の才能が豊かになる生成AIの使い方勉強会はじまる(2024.11.24)
- 聖学院の教育宇宙(3)すべての教育活動をつなぐ存在としての授業があった <奇跡の男子校>(2024.11.23)
「大学入試」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(15)今年から2027年にかけて変わる慶應義塾大学の入試問題 才能創発型入試とシンクロしだす (2025.02.19)
- リスクマネジメントしての中学選択(05)共愛モデルに学ぶ(2024.12.02)
- 新しい社会の在り方を「人間—テクノロジーー世界」の多様な関係性でとらえる世代(2024.09.17)
- 2050年社会をユートピアにするかディストピアにするか(06)児浦准教授のEUU構想に希望(2024.09.08)
- 「問いの力」AI社会でも変わらないコンセプトレンズ創出力~福島県私学教育研修会でWSを実施して(2024.08.26)
「創造的対話」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(13)東京私立中高の理数教育の教科横断性 実に深い(2025.02.17)
- 2026中学入試準備(07)東京都 本来の人間とは何かをどうとらえるか議論が進み始めている(2025.02.12)
- 2025年中学入試動向(15)日大豊山女子 新タイプ入試60%占める ルーブリックも公開(2024.11.25)
- 2025年中学入試動向(13)和洋九段女子 生徒の才能が豊かになる生成AIの使い方勉強会はじまる(2024.11.24)
- 聖学院の教育宇宙(3)すべての教育活動をつなぐ存在としての授業があった <奇跡の男子校>(2024.11.23)
「グローバル教育3.0」カテゴリの記事
- 2026中学入試準備(10)富士見丘の突出型グローバル教育 チームワークと自分の言葉としての英語へ(2025.02.15)
- 2025年中学入試動向(36)偏差値ではなくグローバル教育の5つのタイプから考えてみるのも有りか 潜在的才能ポイント別で(2024.12.16)
- 2025年中学入試動向(35)富士見丘 学習指導要領をそのままグローバル教育化としてトランスフォーメーションに成功(2024.12.15)
- 八雲学園をカリフォルニアから考える(了)英語祭の意味 グローバルSTEAM探究教育(2024.12.14)
- 八雲学園をカリフォルニアから考える(6)中学選びの考え方・価値観を変える(2024.12.12)
「PBL」カテゴリの記事
- 2025年中学入試動向(35)富士見丘 学習指導要領をそのままグローバル教育化としてトランスフォーメーションに成功(2024.12.15)
- 八雲学園をカリフォルニアから考える(了)英語祭の意味 グローバルSTEAM探究教育(2024.12.14)
- 八雲学園をカリフォルニアから考える(5)UCサンタバーバラで学ぶ八雲生(2024.12.12)
- 工学院(2) 田中教頭インタビュー第2弾 オープンマインドの世界に通じる意味(2024.12.12)
- 聖書・宗教の授業・礼拝 聖ドミニコ学園・聖学院・桜美林・恵泉・湘南白百合・女子学院・普連土など 自己を見つめ世界の痛みに向き合い対話し言葉を紡ぐ(2024.11.26)
「高校入試」カテゴリの記事
- 2025年中学入試動向(26)日駒 コンパクトでパワフルなカリキュラム(2024.12.03)
- 2025年中学入試動向(22)文大杉並 interactionからtransactionへ突き抜ける(2024.11.30)
- 聖学院の教育宇宙(3)すべての教育活動をつなぐ存在としての授業があった <奇跡の男子校>(2024.11.23)
- 聖学院の教育宇宙(2)すべての教育活動をつなぐものが生まれる仕組み化(2024.11.22)
- 聖学院の教育宇宙(1)すべての教育活動がつながっている(2024.11.22)
最近のコメント