New Power School(01)八雲学園 豊かで本質的なキャリアデザインを描く意志
★八雲学園の今年の中学入学生の男女の比は、ほぼ1:1。バランスのいい共学校になりました。またいよいよ高校入試でも男子が入学します。高校入試は、少人数定員ですが、高校から新しい自分にチャレンジしたいという生徒が入学してきます。今年もそうだということです。この高校入学者の覚悟こそ八雲学園の進路教育の真髄です。
★実は中学入試及び高校入試は、キャリアデザインの分岐点です。学歴社会の中で勝ち組になろうとすれば、出来るだけ偏差値の高い学校を選択しようとするでしょう。世界に視点が向いている生徒は、これからはグローバルな社会の中でそれぞれの才能を生かしたリーダーになり、寛容な社会を創っていく道を選ぶでしょう。
★中学入試の時点で、あるいは高校入試の時点で八雲学園を選ぶというのは、学歴社会の中で勝ち組になる戦術を学ぼうとするのではなく、様々な問題を解決すれば解決するだけ新たな問題が噴出する予測不能な世界の中で自分の才能をどのように活かして貢献していけるのか希望と覚悟を抱くことです。
★Old Power Schoolの選択者だって学校当局だって、まさか勝ち組になろう、勝ち組を生み出そうなどと初めから思っているわけではないのですが、過去のデータばかり見て、現実志向ばかり追求して、希望と覚悟を持たない限り、現在の学歴社会に飲み込まれて、格差をつくる側、格差をつくられる側に振り分けられるのです。
★この現代社会の課題を根本のところで意識できるかどうかがポイントです。つまり、自分の内なる希望と覚悟によって選ぶ意志を大事にするのか、他人の決めた偏差値で学校を決めるのかが重要な人生の分かれ道なのです。
★八雲学園のラウンドスクエア体験をしたOGが次のようなエッセイを後輩に贈っています。一読していただければ、進路先のためのキャリアデザインではなく、世界の痛みを引き受け社会に貢献する自己実現のためのキャリアデザインを描いていることが了解できるでしょう。
<RoundSquare国際会議を経て> 2019年度卒業 臼田千優
私は、2018年にカナダの首都オタワで行われたRS国際会議と2019年に中国の深圳で行われたRS地域会議に参加した。この貴重な経験は私に沢山の気付きと発見を与え、私のやりたい事、将来目標とすることを確固たるものにした。。特にカナダでの国際会議は私にとって何ものにも変えがたいものであった。
私は東京出身だが、毎年秋田県にある田舎で正月を過ごしたり、北海道でファームステイをしたりと地方との関わりが幼い頃から多かった。そのため、自然豊かで静かな地方での生活に憧れがあった。一方で、少子高齢化により地方の活気はなくなり、ますます人が減っている。その状況に以前から、こんなに素晴らしい所の魅力が沢山の人に知られず廃れていくのはなんとももどかしい、なんとかしたいという思いを心の底に抱いていた。
高校1年生の時、八雲学園の9ヵ月プログラムに参加した際、異文化コミュニケーションに興味を持ち、高校2年生の10月に国際会議に参加した。周りの学生は当然のように英語が話せる状況でコミュニケーションには大変苦労した。その中でも自分の言いたい事を必死になって誰かに伝えたいと思い努力したことは非常に貴重な経験であり、勉学に対するモチベーションになった。私のこの会議での一番の気づきは、「地域文化の多様性」である。会議最終日に行われた交流会で各学校の生徒達がそれぞれの文化を表現したパフォーマンスを披露した。そこで一つの国の中でも地域ごとに全く違うパフォーマンスが披露された。こういった地域文化が海外に存在するということは47都道府県に分かれている日本にも存在し日本の財産であるという事を痛感した。
そこで、「日本の地域活性化をしたい」、過疎化によって失われつつある地域の活気を取り戻したい、これが私の軸となり進路の道筋になった。現在は明治大学にて地域の政治経済を重点的に学び、ゼミでは地方移住や地方への企業誘致政策について分析している。さらには文化人類学やジェンダー論など今まで触れてこなかった様々なことに興味を持って講義を受けている。コロナ禍のため留学など厳しい部分はあるが、英語のプレゼンテーション講義を受けるなど、工夫しながら大学生活を送っている。国際会議に参加したことは私の将来に大きな影響を与え、どんな時でもチャレンジしてみる勇気を与えてくれた。高校時代にこのような貴重な体験ができたことを嬉しく思うと同時に、チャンスを与えてくれた先生方、保護者に感謝している。
今世界中が大変な状況ではありますが、何か小さいことでも自分のやるべきことがあり、それを積み重ねれば必ず結果になります。皆さんも頑張ってください!
★「どんな時にでもチャレンジしてみる勇気」。これぞ覚悟ですね。
★今年の卒業生の中には、あのマンチェスター大学に合格した生徒もでています。イギリスの大学評価機関Quacquarelli Symondsによる2021年最新世界大学ランキング(QS World University Rankings)で27位です。東大が24位、京大が38位です。ところがです。その生徒は、マンチェスターと日本の私立大学が併願で、両方受かったら、日本の私大を選択するというのです。ランキングとか偏差値とか関係ないのです。あくまで、自分の自己実現のためのキャリアデザインなのです。
★もはや八雲学園は、日本の大学はいうまでもなく、世界の大学が自分のキャリアデザインのための選択肢になったのです。
★MARCH以上に何人はいっているかで学校を選ぶのは、Old Power Schoolでは有効ですが、New Power Schoolでは、自分自身の意志を大事にするということがポイントなのです。
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