New Power School(02)進歩主義的で普遍主義的だからこそ魅力
★New Power Schoolは、人気があるわけです。英語教育を充実していますとかPBLをやっていますオンライン授業をやっていますよだけではNew Power Schoolでは実はありません。パッケージとしては進歩主義的ではあるけれど、必ずしも普遍主義的ではないからです。それだと人気があっても、本音は進学校だったということがよくあります。
★普遍主義的というのは、世界の人々の痛みを共有し、そこにどんな大きな問題が横たわっているのか生徒が自ら見つけ、共有し、共に解決しようという何らかのアクションをとる行為をするということです。しかも、それはそれぞれ方法や行動は多様ですが、すべての生徒がそうなるということが大前提です。
★ですから、前回ご紹介した八雲学園のように、キャリアデザインのコンセプトが、学歴社会でない政治経済社会に視野を広げる問題意識をもつクオリティになるわけです。
★そのようなBig Questionは、教師が投げかけているうちは、進歩主義的でも普遍主義的でもありません。生徒が自ら生み出すのです。その背景には、多様な現象・事象のファクトを探究し、探究しながらオピニオンを共有できる共感的なコミュニケーションとしての対話ができる環境が必要です。それには心理的安全という人間関係やチーム=恐れのない組織を構築している学校であるかどうかは重要な尺度ですね。
★このようなファクトーオピニオンを対話するバックグラウンドがあるからこそ、世界の痛みを身に染みて共有できるわけです。すると、この痛みに横たわる決定的なBig Questionが生まれてきます。
★この環境というフォームは、生徒の内面に相互に思考のサーキュレーションを回転させ大車輪を生み出していきます。
★このBig Questionを生み出す対話の場と思考のサーキュレーションがつながる学びがPBLです。これがコースによってあったりなかったり、科目によってあったりなかったりでは、心ある先生は進歩主義で普遍主義ですが、学校全体ではまだまだ進学校レベルでしょう。
★だから、人気のある学校というのは、成果があがっている進学校か、Big Questionを生み出す対話と思考のサーキュレーションが結合しているNew Power Schoolであるか、どちらかであるという時代がやってきたわけです。もちろん、New Power Schoolは生徒1人ひとりにとっての実現先が達成されます。
★それゆえ、魅力がにじみ出ます。爆発的な倍率とかにはなりませんが、目に見えない本質的なことを大事にする価値観を持っている生徒や保護者には、共感されるのです。
★そのようなNPSは、前回ご紹介した八雲学園以外に、たくさんあります。工学院、聖学院、静岡聖光学院、富士見丘、三田国際、和洋九段女子、大妻中野、かえつ有明、聖パウロ、文杉など。折に触れご紹介していきたいと思います。
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