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2021年2月10日 (水)

東京の私立高校(02)高校教育のトランジションモデルの根底<対話>

★トランジションモデルは、すでに多くの高校にあります。先生方の暗黙知としてあると言ってもよいし、生徒の暗黙知としてあると言ってもよいわけですが、対話していると、それぞれの暗黙知は個性的であると同時に普遍性と仲間性もあります。

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★この3つのペルソナがそれぞれの自分軸と称されるような方程式とかプロトタイプとかメンタルモデルとかセルフストーリーというものを形成しています。これが、協働して、何か一つの目標に向かう時、正の相乗効果を生むか、負の相乗効果を生むかによって、かかわったメンバーそれぞれのトランジションの質と力と方向に大きな影響を与えます。

★ですから、結局は、この諸関係を生み出す根底にあるのは<対話>です。

★<対話>システムは、しかし暗黙知なので、なかなかそれを顕在化できないし、できないのかもしれません。

★それゆえ、いろいろな形に転移して共有する必要があるということでしょう。

★それがカリキュラムや授業デザイン、探究プログラム、行事や部活のようなプロジェクトということです。コースやクラス分けもそうです。

★これらのケミストリーが、正の相乗効果を生みだすように、久しい間伝統が紡がれていくのです。しかし、その紡ぎ方が保守主義なのか進歩主義なのかは違います。

★わたしもそうですが、私たちは伝統と進歩主義を対立概念でとらえがちですが、伝統と破壊という対立概念と保守と進歩という対立概念を区別したほうがよいかもそいれません。

★伝統を保守すると破壊に転じ、伝統を進歩主義的に現代化すると破壊を防ぐことができるということなのかもしれません。ですから、創造的破壊というレトリックは、破壊することが目的ではなく、伝統を進歩主義によって現代化するコト、最近の言葉で言えば、アップデートするコトを示唆します。

★暗黙知はこの伝統と進歩主義の対話によって共有できます。共有した時、それを持続可能にするために顕在化するわけです。そのとき、進歩主義的には、英語やICTという言語やエンジニアのテクノロジーを活用しているのが、昨今のNew Power Schoolなのかもしれませんね。

★<対話>が根底にあるのはわかりましたが、それをどのようなシステムに転化するか。多様な創意工夫があるわけです。

★いずれにしても、創造性が溢れる対話をたくさん目撃しています。あとは、それをカタチに転化することです。ただし、転化したときにもともとの豊饒な対話を生み出している暗黙知をすべて汲み取っているわけではありません。

★それゆえ、リフレクションによって、最初のカタチのプロトタイプをリファインし続けることが必要です。このような対話の探究と形式化のリフレクション循環ができるところには、トランジションモデルがありそうです。このことは、理論物理学者のデヴィッド・ボームのいうような(量子力学的な)一貫性のある対話がトランジションモデルの根底の対話と同期しているともいえそうです。

★すでに、幾つかの学校の先生方と<対話>をしているし、最近はその高校の生徒のみなさんととも<対話>をさせていただく機会が増えてきました。このインタビューを通してみえてくるものがトランジションモデルのヒントになるでしょう。

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