GLICC Weekly EDU(21) 麻布の入試問題から見える学びや入試市場のウネリ
★先週の金曜日、GLICC Weekly EDUで、主宰の鈴木裕之さんと語りました。テーマは、 第16回「2021年中学入試問題分析-麻布中学の出題を中心に、新時代を切り拓く思考力について考える」でした。創設者江原素六の精神や同校のOBの学者の発想や思想、前校長の氷上先生のハンセン病に関連するボランティア活動などをからめながら、麻布の中学入試問題の奥行きの深さについて言いたい放題対話しました。ぜひ視聴よろしくお願いいたします。
★その対話から見えてきたことは、教科入試はロジカルシンキングの記述で寸止めされてきて、クリティカル/クリエイティブシンキングは適性検査や思考力入試に任されてきたのですが、いよいよ教科入試でも出題されるようになってきたということです。これは、麻布に限らず、開成や海城、筑駒、武蔵、フェリスなどでも同じことが言えるわけです。このあたりは、今週の金曜日に話題にしたいと思います。
★また、理科と社会の問いを具体的に見ていきながら、知識を記憶する優れた装置を脳内につくるというより、自分でモデルをつくり、あるいはストーリーの構造をつくりながら、目の前の世界とコミュニケーションしながら認識を広げ、深めていく思考のシステムが重要であるというところに行き着きました。
★今後は、このモデルづくりの学びが実は記憶装置も優れたものにしていくだろうし、ストーリーの構造を組み立てていく過程で、コンパッションのマインドを生み出すということを考えていきたいと思っています。
★21世紀は社会実装的知識とイノベーションとコンパッションの時代ですが、これは、モデルやストーリの構造のプロトタイプづくりとそれを経験に適用しながらリファインしていく過程の連続によってなり立つのだと思います。つまり、PBLの役割は大きいのですが、今後そんなことに思いを馳せる2021年中学入試分析になると思います。
★それから、中学受験市場としては、麻布は、御三家ピラミッド市場の競争市場に巻き込まれていますが、当局にとってはあずかり知らないことでしょう。むしろ、創設当時の進歩主義的教育を新教育主義によって現代化させているNew Power School だと考えていますが、そういう捉え返しを中学受験市場がするかどうかとはまた別の話ですね。
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