大学入試問題とトランジション(06)慶応義塾大学環境情報 不条理の哲学をプラグマティックに変換
★今年の慶応義塾大学環境情報の入試問題は、目からウロコ。あの膨大な情報はまったくなし。論理的アイスブレイクの計算をして、あくまで論理的な意味での不条理のケースを15個、そしてそれがなぜ起こるのか理由を簡潔にまとめていく問題でした。
★今回のパンデミックで再び注目されたカフカの「ペスト」。第二次世界大戦の不条理を重ねて、ペスト禍の不条理な人々の生活をドキュメンタリー風に書き綴った本ですが、そんなペストの本を編集するような視点を想起させるようなすばらしい問題でした。つまり、生活の中にある不条理を列挙させていく問題でした。課題文はありません。自分の教養と経験と社会問題対する高い意識そのものがテキストです。そこから引き出していく問題です。
★探究や研究の端緒は、まさにこの不条理や矛盾、二律背反、パラドクスの発見から始まります。クリティカルシンキングとかクリエイティブシンキングは、このパラドクスの端緒を見つけるところからはじまります。
★ここをダイレクトに15個も気づけるのかという、めちゃくちゃ根源的な問題。さすがです。
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