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2021年2月13日 (土)

GLICC Weekly EDU(22) 2021年中学入試のテーマは「思索」と「弱者に接する態度」

★昨日、鈴木裕之さんとGLICC Weekly EDU で対話しました。このシリーズも17回め、今回のトピクは「2021年中学入試問題分析2-首都圏難関中の国語と社会の出題を中心に、新時代を切り拓く思考力について考える」です。

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★入試問題が変わることで、中学入試市場も転換していく流れについて展望しつつ、今年の入試問題のディテールに進んでいきました。ただ、土台となるテーマは、2つでした。2つと言ってもコインの表裏で、一体ですが。

★その1つは、麻布学園の校長平秀明先生が、一回目の緊急事態宣言発令のときに、在校生向けて発信した「諸君へ」というメッセージにあります。最後のパラグラフを引用させていただきます。名文です。この中にある「思索」こそ、今年の麻布の入試問題の土台となるテーマだったし、多くの学校とも同期していました。

「自宅での勉学はふだん学校で受ける授業とは違い、自分の興味関心を広げたり、日頃読めなかった本を読んだり、弱点を鍛え直したり、また、関心のある事がらを深く追究する良い機会ともなります。英国の生んだ偉大な科学者アイザック・ニュートンは、学生時代にペストの流行で大学が閉鎖となり、ロンドンから離れた郊外でゆとりある思索のなかで万有引力の法則を発見したと言われています。
諸君に与えられたこの時間をぜひ有意義に過ごしてほしいと思います。」

★また、もう一つは、B面の岩波新書で発信された京都大学の藤原辰史准教授の文章です。それは「パンデミックを生きる指針——歴史研究のアプローチ」で、アップされて1週間で30万アクセスもあったそうです。

★多くの学校の先生方も共有した歴史的文章ですね。私も、Facebookでシェアしました。

★その中で、武漢の作家方方さんの文章を引用しているところがあります。一つの国が文明国家であるかどうかは、高層ビルだとか、車がたくさん走っているとか、軍事力が優れているとか、テクノロジーが進んでいるとか、派手なイベントを開く能力があるとか、そんなお金や物質的な豊かさではない、弱者に接する態度にこそあるのだという趣旨の文章でした。

★栄光学園の国語で、藤原さんの他の著書から文章が出題されていました。食に関するものですが、麻布の社会と通底するものでした。

★このように直接間接「弱者への態度」に思いめぐらす「思索」問題を例に挙げて鈴木さんと対話しました。ぜひご視聴いただければと思います

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