大学入試問題とトランジション(10)京大の生物に脱炭素のシステム構築のヒントを学ぶ
★今年の京都大学の生物の最終問題は、生態系の循環のメカニズムをエネルギの変換過程のレンズを通して考察し、記述する問題。教科書を丁寧に読んでいて、あとは比例・反比例の関数関係や比の関係を使えばできる基本問題。語彙をやさしくすれば、中学入試でも出題できる。
★仮に麻布がこのテーマで問題を出したとしましょう。すると、ファインマン博士のワークショップを持ち出すでしょう。子どもたちにチョロQが動く背景に思いを馳せさせ、そこには生態系があり、最終的には太陽エネルギーに行きついてしまうワークショップです。そして、そこにエネルギー変換の過程を結びつけて出題するかもしれませんね。
★あるいは、生物多様性の話に展開していくかもしれません。あるいはまた、チョロQが動くエネルギー量を測定し、そのエネルギーはもともと生産エネルギーの何割になっているのか算出させ、脱炭素のためにどんなシステムをつくることが可能なのか問うような問題が出されるかもしれません。
★もちろん、その際、得意のモデルを組み立てシミュレーション実験をするでしょう。
★そんなワクワクするような探究の広がりの出発点を記述させるというのが、京大らしい問いのデザインです。
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