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2021年2月 4日 (木)

2021年中学入試情報(60)早稲田アカデミー・日能研・SAPIXからみる中学入試マーケットの変容

★2月3日が過ぎると、早稲田アカデミーと日能研、SAPIXの私立中学合格実績の比較が注目される時期です。今年もそれぞれのサイトを開いてみました。最も驚いたことは、早稲田アカデミーが中学入試マーケット全般をついに把捉したということです。

★どういうことかというと、昨年までは、速報時期は偏差値の高い学校を中心に公開していたのですが、今年からは、偏差値に関係なく、すべてをきちんと公開しているのです。

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(本日聖学院の最終試験である難関思考力の会場。写真は今朝の聖学院児浦先生のfacebookから。チャレンジする生徒が28名。大いに脳神経系身体全体を使って、がんばってください!)

★これによって、3者の塾の特徴が明らかになったわけです。SAPIXは御三家を中心とする高偏差値校はやはり強かったのですが、早稲田アカデミーがしっかり対抗軸になってきたということですね。そして、日能研は、満遍なく学校の合格者をだしています。それぞれの子どもが選択した学校に合わせた学びをサポートするというのが大きな特徴になりました。しかしながら、早稲田アカデミーは、この点においても対立軸になる勢いです。

★簡単に言えば、早稲田アカデミーは、SAPIXと日能研の両方の良いとこどりをしていると言えるでしょう。塾歴エリート社会VSスマート市民社会という二項対立が、ついにこの大手3塾の中で消えていくという時代になったということでしょう。

★もちろん、SAPIXの塾歴エリート社会という文化はまだまだ残るでしょうが、たとえば、聖学院の合格実績をみると、日能研からは55人合格、早稲田アカデミーからは13人、SAPIXからは6名合格しています。

★日能研は、多重知能論をはじめ進歩主義的な学びの理論を取り入れていますから、当然進歩主義的な学校の情報を子どもたちと共有しています。聖学院の合格者は自ずと多くなりますね。しかしながら、早稲田アカデミーとSAPIXからも合格しているということは、このNew Power Schoolの風を無視するわけにはいかなくなっているということです。

★女子校で、進歩主義の象徴的な学校は大妻中野ですが、日能研からは118人、早稲田アカデミーからは73名、SAPIXからは22名です。

★共学で、進歩主義の先頭に位置している三田国際学園は、日能研からは44名、早稲田アカデミーからは59名、SAPIXからは42名です。

★老舗ではありますが、進歩主義でもある共立女子は、日能研からは133名、早稲田アカデミーからは89名、SAPIXからは21名。

★今ダボス会議で、グレートリセットをテーマにそしてサブテーマとして才能主義を設定して世界中の識者が議論しています。これは塾歴エリート社会からスマート市民社会へのシフトも暗示しています。

★日能研は、このシフト・チェンジを21世紀にはいる前から断行していましたから、SAPIXとは真逆の流れを黙々と歩いていました。しかし、いまこうなってくると、このシフトチェンジがあたりだったということでしょう。

★ですから、早稲田アカデミーもSAPIXも当然リスクマネージメントをしているわけですね。

★中学入試市場の質は首都圏からまたも大きく変わりました。

★そして、2022年入試は、もっと加速します。それに伴い、教科入試VS新タイプ入試の二項対立も解消されます。重点の置き方は違いますが、両方とも思考力重視になり、どのような思考タイプを出題するかが各学校の特色となります。思考タイプを分析する眼鏡は首都圏模試センターが「思考コード」をつくって対応してきました。再び「思考コード」の出番です。(つづく)

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