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2021年2月17日 (水)

新しい教育社会(27)グレート・トランスフォーメーション 神崎先生と対話

★ポスト・コロナ時代の変化については、グレート・リセットとかグレート・リカバリーとか呼ばれています。すでに、カール・ポランニーが70年前に書いた「大転換」のウネリが、いよいよ大きくなってきたということでしょうか。19世紀に世界に広まった市場経済の混沌とした様相を収拾するデストピアストーリーが世界大戦へ導き、それを逆転させるポジティブな世界へ導くために複合社会が生まれてくるという、ざっくりですがシナリオです。

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★しかしながら、その複合社会についてポランニー自身が論じたわけではなさそうです。その後、多くの人々が論じたのでしょうが、現実社会は欲望の資本主義が拡大してしまいました。今年の慶応義塾大学の経済学部の入試問題の1つである小論文では、岩井克人さんの著書「21世紀の資本主義論」から課題文が引用され、支配関係がないのに、非対称的な格差が生まれるメカニズムについて考える問題が出題されていました。

★岩井克人さんのいうように英語という世界言語と基軸通貨体制の織りなすメカニズムは、複合社会の在り方の一つの答えなのかもしれません。

★しかしながら、それは、確かにSDGsで克服しようとしている多様な問題を生み出しています。その問題を決定的に明るみに出したのが、今回のパンデミックでもありましょう。

★中学入試の国語の問題で、栄光学園が、藤原辰史さんの文章を課題文として使っていましたが、藤原さんは、あの有名な「パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ」を書きました。岩波のサイトのB面の岩波新書でアップされたとたん、アクセスが半端ないと話題を呼んでいました。

★その文章の中で、武漢の作家の方方(ファンファン)さんの文章も引用されていました。文明国家の基準は弱者に接する態度で決まるという箇所です。

★どうやら、社会は、この方向に大転換する時がやってきたということでしょう。

★そんな話を神崎先生と対話しながら、自分たちなりにそのグレート・トランスフォーメンションの作り方に挑戦しようとZoomでまたまた日をまたいで語りました。

★私たちは、制度論的アプローチではなく、現状の市場経済が、交換の正義の背景に隠している配分の不正義を正義に変換する行動を通してそれを成し遂げようと。しかし、この動きは、広がれば、制度の体質改善をうながします。

★かつてなら、このような行動は、砂漠に水をまくような話でしたが、SNSの時代、想像以上に拡大する予感がします。1人ひとりの行動が大切なのです。

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