大学入試問題とトランジション(04)慶応大学総合政策の小論文 探究の方法を学びながら小論文を完成させる
★大学入試速報2021(河合塾)によると、問題はまだ未公開ですが、分析は発表されています。それをみると、どうやら、3つのケースを公共政策的な定性分析とあのシステム思考的なループ図を描きながら最終的に改善政策の800字論述をするようです。
★公共政策的な分析は、ステークホルダーであるアクターどうしの利害関係や調整の目標、それに影響を与える制度設計の分析などをしていくようです。そして、それらの諸関係をループ図で書き、メリットとデメリット、あるいはユートピアとデストピアの生まれる関係図に仕立てあがていきます。
★それらの分析を踏まえ、800字で小論文を書いていくわけです。
★上記の写真にあげた書籍だけではなく、膨大な資料を参考に、公共的な分析ツールの構築とシステム思考のシンボルであるループ図(同塾の分析ではアロー・ダイアグラムと称されていました。問題ではそのように指定されていたのかもしれませんね)の書き方を体得しながら自分の考えを組み立て行きます。
★しかし、公共政策的な分析やシステム思考は、「探究」を学んできた受験生にとっては、ある意味当然だったかもしれません。実際の「探究」では、提示されている膨大な資料をリサーチするところから始まるし、その中で、提示されている探究するケースを自ら掘り起こさなければなりません。
★分析や小論の書き方は、すでにPBLなどの授業で体験済みです。ということは、資料もケースも与えられているので、PBLに慣れている受験生にとっては有利だったかもしれません。
★もっとも、総合政策を受験する生徒はこのトレーニングはみな経験済みかもしれません。
★総合型選抜や探究を学校の先生方と取り組んでいる神崎先生は、公共政策分析やシステム思考のメソッドは当然活用しています。私自身も神崎先生をはじめ、学校の先生方とコンパッショネイトシステム思考ベースのPBLや対話を行っています。
★私は公共政策分析はしませんが、社会学でいうロールプレイ分析を物語分析などに重ねて子どもたちと対話しています。公共政策に変換することはそう難しくありません。
★また、総合政策の入試問題を中学入試で先取りしているのが、聖学院の思考力入試です。
★今は聖学院、慶応義塾大学総合政策、神崎メソッド、私と仲間の先生方という特殊なエリアでの出来事ですが、New Power School市場のウネリもでてきました。
★このような入試が随所で生まれれば、中高大そして社会へという豊かなトランジションモデルが出来上がるでしょう。もちろん、このモデルが生み出すのは、クリエイティブクラスです。
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