2021年中学入試問題のおもしろさ(03)筑駒の詩 貞久秀紀さんの詩 構成主義的背景
★今年、筑駒は、貞久 秀紀(さだひさ ひでみち)の詩集「昼のふくらみ」から「体育」を出題しました。何気ない散歩。その散歩の中で心と身体がDNAのように魂を結んでいます。その魂がなぜか共振し、垣根の向こうの知らない人と会釈を交わしてしまう。思う身体、考えう身体。身体の内部に心の延長があるのなら、身体の外部の自然や社会もまた身体の延長ではないのか。。。
★詩人は、氷山モデルでいう水面下をとらえているのでしょう。あるいは、構成主義的なあるいはシステムシンキング的な認識や感性の広がりをみているのでしょう。
★さりげない日常を心と身体がDNAのように織りなして歩いていくとそこには非日常が広がっています。詩人は瞬間瞬間パラレルワールドを生きているわけですね。
★見える人と見えない人を分けるものは何でしょう。いずれにしても見えなければ筑駒には入れません。
★中学入試問題に立ち臨むには、氷山の一角をみているだけの勉強ではなく、見えないものを見る勇気もまた必要だということでしょうか。
★そういえば、今年の開成は漫画家山田玲司さんの文章を出題していました。このような広がりが見えない状況を「思考停止」といっているわけですが、このことについて考察する問題を出題していました。
★考えるということは、真理をたどることなのか道をたどることなのか?
★今年の早稲田大学国際教養の英語のライティングの問題の中には、ギリシアと中国のものの見方を比較して、真理か道か、ものの見方考え方を整理する問題が出題されていました。
★アドミッションポリシーとカリキュラムポリシーとディプロマポリシーがようやく分断を結びつきに変える時代が少しずつ足音をたててやってきたのかもしれません。
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