東京の私立高校(06)かえつ有明 心理的安心安全のある学校の意義を捉え返すことの重要性
★かえつ有明の高校入試は、1クラス分だけです。今年2月3日東京都が公表した「令和3年度 都内私立高等学校入学応募者状況【一般入試・中間】一覧」を見ると、倍率は0.5ですから、そう難しくないと錯覚すると思います。しかし、高校入試は、1月に推薦入試があるということとかえつ有明の場合は、中高一貫校で、この1クラスに中学から入ってくる生徒がいるのです。したがって、決して易しくないのです。
★むしろ、一般入試で倍率が0.5という数字は、かえつ有明のその1クラスを敬遠している高校受験生が多いというコトを象徴しているとみなした方がよいでしょう。というのも、この1クラスの名称はプロジェクト科となっていて、端的に言うと教師は教えない授業をするわけです。
★教えない授業というのは、毎日が自習という意味ではないのです。自分でプランをたて、学びの活動を実践し、そのプランをリフレ―ムしながらアップデートを楽しみながら探究していくというクラスです。
★今では、どのクラスもそうなっているし、中学が大人気ですから、高校入試をしなくても、経営的には大丈夫なのですが、教育とは経営のためにおこなっているわけではないのです。0.5が意味するのは、まだまだ多くの生徒が、このようなプロジェクトに参加することを恐れているわけです。
★しかし、そんな中でチャレンジをしようという生徒の居場所を高校からも開放しておこうという意図がかえつ有明にはあります。
★この恐れから賢い失敗を受け入れる心理的安心安全の環境を創っているかえつ有明の未来の世界を生み出すのに重要な組織です。
★同校の場合は、プロジェクトですから、心理的安心安全な場をもちろん、先生方がつくりますが、この場を生徒自身が自ら創れるマインド、シンキング、スキルを身につけていきます。
★大学や社会に出たときに、NVC=Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーションを生み出すリーダーシップを発揮するには、NVCベースの恐れのない組織をつくるチーミングのマインドとスキルが必要です。
★戦略的プロジェクトとチーミングプロジェクトの両方を使い分けられるリーダーシップをそれぞれが自分で、もちろん仲間と支え合いながら身につけていきます。
★NVCではなく、VCを発揮しているとどんなにえらい政治家でも世界から批判を受ける時代です。恐れのない組織、つまり心理的安心安全を生み出せるチ―ミングのマインド、シンキング、スキルがシェアされる時代がやってきました。
★在校生自身が日本語と英語で書いているエッセイのページ「Idea Canvas」を同校はサイトで紹介しています。自分の考えをリフレクションしアップデートしていく、つまり自己変容できる心理的安心安全が土台にあることが了解できます。
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