2021年中学入試情報(63)品川翔英の心意気と気遣い
★2月1日、品川翔英はサイトに、その日の適性検査型入試の解答解説の動画を即日アップしました。2月3日の公立中高一貫校を受験する生徒にとって有益かつ励みになる動画です。また、適性検査入試以外の同校の入試を受験する生徒にも、各教科が出題するもの見方考え方を学べます。
★自分の学校だけではなく他校を受ける中学受験生にもエールを贈るこの心意気と気遣いにさすがとしかいいようがありません。コロナ禍でただでさえ煩雑な仕事で多忙な中、このようなおもてなしができるのは、学内がワンチームでなければできないでしょう。さすがです。
★そして、もう一つ驚いたことに、適性検査Ⅰの解説をしている国語科の平岡先生の鋭い解説にああなるほどと思いました。
★というのも、この間、高1の在校生にインタビューをしたときに、平岡先生のPBLの授業は有益なのだという話がでていました。なるほど本当だなと。
★適性検査Ⅰは長文を読んで、何が書いてあるか要約をし自分の考えを書く問題です。その要約の説明の仕方が、言葉は違いますが、英語の要約の仕方とちゃんと同期しているのです。
★「では」とか「しかし」などの文章の流れをを示す言葉に注目する話をしていますが、これは思考スキルを発動する際の記号です。英語の場合は、ディスコースマーカーといって、とても大事なスキルです。このスキルがないと今年の共通テストのような膨大な情報量を処理することができないと言われています。
★また文章の言葉をモザイク状にまとめてから、自分の言葉に置き換えるということも言っていますね。これは英語だとパラフレーズというスキルです。また、要約と意見ですから、英語だとファクトとオピニオンをきちんと区別するスキルです。
★品川翔英は、国語と英語を言語というくくりで扱っていますから、当然共通する言語技術が使われているわけです。欧米だとランゲージ・アーツという考え方です。母国語と第二外国語を学ぶときに活用されています。
★よく探究などは、教科横断型だとかいわれますが、たいていはテーマが同じものを各教科で扱うというジグゾーパズルです。それはまずスタート地点では大事なのですが、これを本質的なところでつなぐには、教科を超えた共通の言語技術が活躍するのです。
★たいていの学校は、英語は英語、国語は国語という縦割りですから、そうもそも本質的な教科横断はなかなか難しいのです。この言語技術を哲学やリベラルアーツで置換えているすてきなな学校もあります。しかし、考えてみたら、それもまた言語技術が活用されています。
★インタビューした在校生が柔軟かつ緻密で、さらに深く考える姿勢があるのは、このような学びの環境があるからなのでしょう。
★受験生の保護者は、学校を訪れて彼らといっしょに校舎を見学しながらコミュニケーションをとります。そのとき直感的にこの奥行きを感じ取ることでしょう。
★2月4日現在(首都圏模試センター出願倍率速報)、同校の応募者総数の前年対比は、319.3%、前々年対比は1976.9%。そうなるのは必然だったのです。
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