2021年中学入試情報(32)東京エリアの帰国生の中学入試 応募者状況 時代の良心を見通す学校が顕れる タレンティズム時代へ
★今の日本は、97%の社会通念の壁に覆わています。しかし、ここのところその壁の向こうに通じる3%の穴を突き抜ける私立中高一貫校が顕れました。その3%の穴を開成自身が、自身の学校に開けています。しかし、下記のリストの学校の中には、学校全体で3%の穴の向こうに突き抜けようとしている学校があります。社会通念から時代の求める良心に導かれる道を歩み始めているわけです。
21応募 20応募 前年対比
かえつ有明 国際生 699 697 100.3%
広尾学園 国際生 650 271 239.9%
広尾学園小石川 国際生 591 0
開智日本橋学園 帰国生 300 131 229.0%
東京都市大学付属 帰国生 268 283 94.7%
渋谷教育学園渋谷 帰国生 224 253 88.5%
頌栄女子学院 帰国生12月 186 227 81.9%
海城 帰国生 169 180 93.9%
共立女子 海外帰国生 160 131 122.1%
山脇学園 帰国 136 93 146.2%
大妻中野 海外帰国生 114 105 108.6%
立教池袋 帰国児童 106 100 106.0%
白百合学園 海外帰国生 91 71 128.2%
文化学園大学杉並 81 69 117.4%
学習院 帰国子弟 77 78 98.7%
学習院女子 帰国生 67 75 89.3%
成城学園 帰国生 51 65 78.5%
工学院大学附属 帰国生 50 31 161.3%
田園調布学園 帰国子女 48 20 240.0%
昭和女子大附昭和 帰国生 46 40 115.0%
中央大学附属 帰国生 36 32 112.5%
暁星 帰国生 34 24 141.7%
淑徳 帰国生 33 42 78.6%
聖学院 帰国生 31 36 86.1%
高輪 帰国生 29 30 96.7%
富士見丘 帰国生 27 6 450.0%
品川女子学院 帰国生 25 12 208.3%
佼成学園 海外帰国生 20 6 333.3%
佼成学園女子 帰国生 19 0
大妻多摩 帰国生 18 23 78.3%
実践女子学園 帰国生 15 7 214.3%
ドルトン東京学園 帰国生 10 10 100.0%
八雲学園 帰国生 10 12 83.3%
和洋九段女子 海外帰国生 8 2 400.0%
女子聖学院 帰国生 7 2 350.0%
跡見学園 帰国生 7 4 175.0%
神田女学園 帰国生 7 4 175.0%
駒込 帰国生 7 3 233.3%
啓明学園 帰国生 7 4 175.0%
普連土学園 帰国生 7 3 233.3%
三輪田学園 帰国生 6 3 200.0%
国本女子 帰国生 5 4 125.0%
玉川学園 帰国生 5 2 250.0%
目白研心 国内帰国生 4 0
文教大学付属 帰国生 4 8 50.0%
武蔵野大学 帰国生 4 13 30.8%
麹町学園女子 帰国生 3 4 75.0%
十文字 帰国生 3 4 75.0%
明星学園 帰国生 3 5 60.0%
順天 海外帰国第1回 3 9 33.3%
京華 帰国生特別 2 7 28.6%
玉川聖学院 帰国子女 2 1 200.0%
聖ドミニコ学園 帰国生 2 2 100.0%
桐朋女子 帰国生対象特別 2 2 100.0%
聖徳学園 帰国生 2 2 100.0%
京華女子 帰国生特別 1 0
星美学園 海外帰国生 1 0
東京家政大学附属 帰国生 1 0
東京女子学園 帰国生 1 1 100.0%
実践学園 帰国生 1 0
★このリストは、東京エリアの帰国生入試の応募者状況を示すものです。応募者の前年対比を出し、応募者数の多い順にならべてあります。データは、日能研の倍率速報(2021年1月23日現在)をメインに使いました。
★東京エリアの帰国生の応募者前年対比は140%(成長率という発想から考えればすごいですよね)ですから、東京エリアが、いかに3%の穴を突き抜けようとする風がいかに吹いているかということがわかるでしょう。
★もちろん、上記リストすべてが、3%の穴を突き抜けようとしている学校ではありません。社会通念の壁の中で、帰国生の英語力によって、椅子取りゲームで覇者になろうという戦略的な学校もあります。ただ、いずれにしても、ここのリストに挙がった学校は、海外大学への道も開いているので、学校がどう思おうと、生徒自ら3%の穴を通り抜けようとする機会を作っていることに変わりはありません。
★世界は、この3%の穴の向こうが拡大しています。今までのように化石燃料を使いたい放題で、その化石燃料を巡る覇権争いをやめることなく行い、結果、地球と市民を傷めつけてきたことを反省する良心が動き始めています。日本は、社会全体でそこにシフトするという点では、だいぶ後れを取っています。先進諸国の中でジェンダーの問題を解決できていない国であることは象徴的な出来事です。
★この3%の穴を通り抜けるウネリは、しかし、人々の意識が変わらなければどうしようもありません。どうしたらよいのか?それは教育にかかっているというのが、国際的に一致している価値観です。それは、紆余曲折あるのですが、ブレアークリントン時代から生まれています。
★みなさんが、憧れ騒いでいるシリコンバレーのHTHなどは、まさにブレアークリントン時代の教育政策の贈り物です。
★日本だって、なんとかそれに乗ろうとしてきたのは当然ですね。しかし、総合学習も、探究学習も、アクティブラーニングも、PBLも相変わらず反対者やそのサイレントキラーはいるわけです。
★彼らが、学歴社会において社会通念の壁を保守してきました。しかし、東京エリアは、どうやら3%の穴の向こうに冒険しようという学校が誕生してきました。
★それがどこなのか、それは上記リストの学校が今後牽引していきます。もちろん、コンサバだったり、GAFAだったり、マーケティングだったり、タレンティズムだったり、どこに価値を置くかは違います。しかし、価値の多様性は歓迎なので。それぞれのアプローチで3%の穴を通り抜ければよいのです。
★それぞれ違うけれど、3%の穴を突き抜けるベクトルを生み出すというのは、アダム・スミスやヘーゲル的なアイデアだし、量子力学的な発想でもあります。もちろん、文化人類学的発想でもありましょう。
★そして、この社会通念と良心の意味の違いを論じたのがJ.J.ルソーです。この点は、今回の倫理の共通テストの問題でもありました。どうやら、ウネリは確実に生まれています。
★そうそう、トレンドとウネリは違います。トレンドは社会通念のニーズが生み出しますが、ウネリは時代の良心が生み出します。
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