2021年中学入試情報(47)三田国際 マーケティングと教育のミックスの完成 新しい教育を開く場 真実を語ろう
★1月29日現在(首都圏模試センター出願倍率速報)、2月1日以降の入試の総応募者数は、2000人を超えています。新型コロナ感染防止のために、無理をせずに行きたい学校の中で確実に合格できる学校をできれば受験回数を減らして安心安全な受験をしたいというのが、2021年のパンデミック入試の当然の傾向です。
(昨年2月1日の三田国際の入試風景。今年はこの光景はどこの学校でも自粛となるでしょう)
★ですから、2000人以上の総応募者数を集めていても、ここのところ前年対比でみてきたたために、同校について触れてこれませんでした。しかしながら、新設校で2000人集めて、メディアが注目するというような動きもあるので、ファクトを確認しておきたいと思い、明日東京神奈川の中学入試がスタートする前に記しておきたいと思いました。繰り返しますが、ファクトは、三田国際の人気は、やはり首都圏中学入試でダントツだということです。
★2014年に共学化し、名称も変更し、スーパー21世紀型教育を断行し、8年目を迎える今日も、最終的に3000人前後の総応募者を集めている学校がどこにあるのでしょうか。このことを確認しておきたかったのです。
★さて、ここからはオピニオンですから、ここまでお読みいただいたメディアの方々ありがとうございました。ここからは読まなくて結構です。
★三田国際は、たとえば、御三家が前年対比100%をきるのと同じ理由で、前年対比は今のところ100%をこえません。御三家の中でも麻布はかなりおとしていますが、それは三田国際にシフトしたとも言えます。今のところと言ったのは、最終試験まで出願数は伸びます。毎年のことですが、麻布以外の御三家級の学校を受験した生徒が、チャレンジしにきます。
★受験生は、受験をしながら学びます。特に今回は、学校説明会もオンラインで行われるというケースが多かったので、受験の時はじめて学校の中に足を踏み入れるということがいつもより多いと思います。
★そのとき受験生は気づくはずです。もちろん保護者も。メディアや塾の情報がすべてではないということを。海外大学への視野をしっかりもっている教育の雰囲気を肌で感じるでしょう。ICTもちゃんと使っているではないかと。御三家級の学校で、この点をはっきりさせて前年対比を上回っている海城学園には、麻布の減った分の受験生が三田国際同様集まっているはずです。
★私が麻布にこだわっているのは、麻布の受験生・保護者は、時代を感じるに敏です。同時にこのパンデミックです。合理的に受験します。ですから、海城や三田国際を最初から受けたほうがよいと決断する傾向は御三家のなかで多くなるのは当然の心理でしょう。
★そして、開成―筑駒のラインで受験する場合、現段階ではいわゆる東大合格実績の高い学校を併願しているでしょう。ところが、情況は違うということを身に染みてわかるのです。開成や筑駒こそ、海外大学準備教育やフルスペックのオンライン授業をやれるSTEAM教育に熱心だと。
★東大頂点ピラミッドをねらっているだけの進学校との併願を急遽取りやめ、2月4日に集結するのです。この日の定員は、10名ですから御三家の入試より難しくなるのは当然です。
★それに、2月3日の午後入試は15時集合ですから、池尻大橋から田園都市線で用賀はすぐに着きます。とはいえ、メディカルサイエンステクノロジーコースの入試しかありません。試験科目も算数と理科です。筑駒受験生のうち将来の理系志望者が受けに来るでしょう。定員は30名です。1クラス分ですね(ここが極めて重要)。
★もうおわかりですね。三田国際は御三家級の生徒のうち進取の気性に富んだ家庭の生徒が、集まってくる学校になっているのです。
★かくして、入試日や時間の設定がマーケティングと教育のミックスでできていて、人数を集めればよいという経営上の理屈だけで動いているのではないのです。
★当然このような緻密な計画を立てる姿勢は、ふだんの授業にも反映しています。三田国際のproblem-based-learningというPBLは、私がいっしょにつくっている仲間の学校のproject-based-learningというPBLとはちょっと違っています。三田国際の実践しているPBLの根っこはもともと医療領域の教育で行われてきたものです。特に戦後発展したインストラクショナルデザインという米国の認知心理学の結晶ですね。
★私のは、戦前からある、もっというと126年前からあるデューイのコンストラクショニズムの系列のPBLでダイアレクティカ論理にもとづくもので、わかりにくいかもしれません。そこにいくと、三田国際のPBLは実によく設計されていて、安定しています。
★インストラクショナルデザインは、ち密に設計された学びだからこそ発想の自由人を生み出すというプログラムです。御三家級の学校に入っていっても、このようなプログラムがあるわけではありません。授業の達人の先生の頭の中にある設計はもちろんありますが、それは目に見えませんから、その先生にシンクロした生徒は伸びますが、そうでない生徒は必ずしも伸びません。
★ところが、三田国際はインストラクショナルデザインがきっちりできていますし、テクノロジーによって可視化されていますから、その設計を生徒もシェアするわけです。
★インストラクショナルデザインの極致はブルームの学びのデザインです。ブルームと言えばタキソノミーで有名で、現代の世界の教育に大きな影響を与えています。IBもCEFRも、今回の新学習指導要領も、取り入れながらアレンジしていますね。
★しかし、ブルームの本意は、タキソノミーを活用して3側面の評価ができる「完全マスタリー学習」をデザインするところにあったのです。これがあるから、オンライン授業やCBTテストができるのです。米国の教育が、パブリックスクールで今そこに到達しているわけです。
★ただ、タキソノミーを限定的に使わざるをえないので、米国のパブリックスクールは私立学校にはかなわないというもどかしさもあります。不完全燃焼のマスタリー学習になっているわけです。
★三田国際は、そこを乗り越え、今や日本で唯一のパーフェクトマスタリーラーニングを完成させているのです。私は何度も予想してきましたが、三田国際は共学であるという世界のリーダーを育てる学校という意味でも、学力という意味でも、クリエイティブクラスを輩出するという意味でも、筑駒を当然超えると思っています。
★それは筑駒もよしとするでしょう。これからの時代は国立ではなく私立の時代でなければ、真の民主主義はやってこないのです。現在の公立学校も、チャータースクールのような形式になる方向で進んでいます。ここでいう私立という意味は、もちろんお金持ちの学校という意味ではありません。グローバル市民のための学校ということです。
★相変わらず、わけのわからないことを言っていると思われるでしょう。でも、これは私のオピニオンであって、同時に時代の良心の声です。パンデミック入試で戸惑ったり悩んだりしたときに、この時代の良心の声に耳を傾けてください。
★でも、三田国際は難しくて手が届かいないと思ったら、あきらめずに、三田国際と同じ方向に進んでいる学校を見つけてください。この私のホンマノオト21にあるカテゴリーの「中学入試」をクリックしてください。そのような学校を探せるはずです。
★だからといって、三田国際と同じであるわけではもちろんありません。ヴィトゲンシュタインのうさぎあひるの論理と同じです。おなじ思いでも、うさぎにもみえるしあひるにもみえるのです。
★世間は、おなじものを要求する傾向にありますが、違って同じというルビンの壺が真理です。同じ想いを大切にしながら違いを受け入れられたら、受験は乗り越えることができるでしょう。念願成就を祈っています。
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