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2021年1月16日 (土)

GLICC Weekly EDU(12) 受験勉強を才能創出の人生の学びに転換するコトの大事さ実感する今日この頃

★GLICC代表鈴木裕之さんが老人の僕に新しい学びをいっしょに創る機会を与えてくれています。また盟友(と僕が思っているだけかも:汗)神崎史彦先生もいっしょにつきあってくれています。おもしろいのは、鈴木さんは、大学入試における帰国生入試の専門塾から高校入試、中学入試とGLICCの強みを拡張してきているわけです。

★神崎先生は、総合型選抜をメインに探究や小論文の学校プロデュースに拡張しています。そして、総合型選抜と帰国生入試の共通点が多いという対話を通して、改めて3人が共有したことは、生徒自身が受験勉強を才能創出の人生の学びに転換できるようになることの重要さということです。

★このアイデアは、今までも世間にはあったのですが、受験勉強の副次的な効用として、間接的に人生の学びになるという程度だったのです。なぜなら、一発ペーパー試験という入試制度が主流だったからです。だから、帰国生入試のような受験勉強=才能創出自己変容型学習とはなっていなかったのです。

★AO入試時代から、神崎先生は、AO入試=才能創出自己変容型学習だという信念で生徒と対話してきました。しかし、学校現場や大手予備校は、一般入試が主流で、教科学習が不得意な生徒のための非常口のような感覚でとらえていました。神崎先生の塾「カンザキメソッド」で学ぶいわゆる塾生は、神崎先生と考え方や想いを共有していますから、問題はないのですが、学校現場では、必ずしも価値の共有は簡単ではないようです。

★しかしながら、探究というキーワードが新学習指導要領を駆け巡るようになって、総合型選抜こそ受験勉強と生徒の人生への探究の道が重なるのではないかと捉え返す学校現場も生まれ始めています。神崎先生の出番ですね。

★フランスの教育制度がいいとは限りません(フランス社会学は教育制度を徹底的にクリティカルシンキングしていますから)が、リセ(公立高校)の現場の先生方と話した時に感じたのは、高校卒業資格の試験バカロレアが、日本でいう入試に相当してしまうので、ふだんの授業がそのまま大学へのパスポートになるわけです。ですから、自分のやりたいことがまんして受験勉強を教科書とは別立てでやるというのは、理解が難しいということでした。同じ対話は、30年前の視察と、10年前の協働プログラムをやってときにもしましたが、同じ反応でした。

★もちろん、リセの卒業試験であるバカロレアは、小論文形式です。あれっ?と思うでしょう。イギリスのAレベルやドイツのアビツーアもそうです。スイスやイタリアも同様の制度です。

★問題は、小論文かどうかというより、徹底的にクリティカルシンキングとアートを学ぶ、意識しているかどうかはわかりませんが、リベラルアーツがベースにあるカリキュラムだというわけです。それは、米国のAPもそうだし、カナダの制度もそうです。先日カルテックで研究しているGLICCのオンライン講師Sophieさんもそう語っていました

★どうやら、鈴木さんと神崎先生のベクトルは、合力になりそうな気配です。もちろん、経営的な合体というような話ではありません。ウネリを生み出すそれぞれの経営理念という意味でですが。

★ただ、鈴木さんと神崎先生と共有している思想家はデューイとローティだし、麻布の入試問題なのです。これに、鈴木さんはハーバーマス的視点、神崎先生はレヴィ・ストロース的視点が加わって、さらに幅が広くなっています。

★いずれにしても、対話とかPBLとかは互いに親和性があります。

★麻布の入試問題は、その背景にロラン・バルト的な世界や文化人類学的なベースがあるし、現代数学や最先端科学の成果がベースになっています。それがカリキュラムに流れているので、入試問題もそうなっているわけです。

★この麻布の入試問題の分析・研究をして、ガードナー、ブルーム、センゲなども学び、独自のスプリットと学びの方法論を加えているのが、かえつ有明と聖学院の思考力入試問題です。もちろん、今では開発当時のそんな話は誰もしないでしょう。遠い昔の話です。

★麻布のような入試問題やかえつ有明や聖学院の思考力入試のようにリベラルアーツや探究の入口になっていることに気づいた私たちは、中学入試、高校入試、大学入試を貫く、才能創出自己変容型学習の一条の光が見えたのです。アインシュタインが光速が不変だということを発見したときと同じ興奮があると思います。

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