工学院Z世代の未来の開き方(01)仲野想太郎さんと郷野翔太郎さん①
★昨年末、工学院のZ世代仲野想太郎さんと郷野翔太郎さんとZoom対話の機会を頂きました。教務主任の田中歩先生と幾度も対話を重ねているうちに、2020年大学入試改革は一見とん挫しているようにみえるが、総合型選抜は、従来のAO入試と違うのではないか、もしかしたら何か変化が起きているかもしれないという話になり、いろいろ仮説をたてました。そうこうしているうちに、総合型選抜の結果がでてきたので、実際に合格した生徒にインタビューしてみようということになりました。そんなわけで、お二人と対話することができたのですが、結論から先に言うと、大学入試が変わったかどうかはまだまだわからないけれど、少なくとも、大学入試の概念を二人は変えたということが了解できました。
★そういう意味では、大学入試を変えるのは、文科省や全国校長会でもなく、二人に代表されるZ世代が大学入試の意義や概念を2021年あちこちで発信していくことで、大学入試は変わっていくという実感を抱けました。少なくとも、田中歩先生は、2人の話に感銘を受け、想像以上の自己変容ぶりに感動し、進路指導やキャリア教育の在り方を改善し質を高めていくように進路指導部と協働していくと語っていました。
★そして、二人の友情の在り方がまたすてきでした。中高一貫の出会いは、得難い友情を生み出すのだということもしみじみ伝わってきたのです。もちろん、田中歩先生は、自らそうなる環境を整えてきたと野暮なことはいいません。ですから、私が岡目八目で語ることは許されるでしょう。
★二人に、総合型選抜は、大学が総合的な判断をして受けいれなければならないけれど、どういう点が認められたからたと思うのか、郷野さんから見た仲野さん、仲野さんから見た郷野さんという具合に、互いに評価してみようという話になったとき、6年間の友情とは本当にパートナーのことをよく理解していく過程なのだということがわかりました。
★二人はともに生徒会の役員を5年間ずっとやってきて、最終的には、仲野さんが生徒会長、郷野さんが副会長を務めたということです。それぞれ部活は違うし、クラスも違うのですが、生徒会の活動を通して互いを理解し合えたのでしょう。
★もちろん、いっしょにいたから友情が生まれたわけではありません。また後で、話しますが、工学院始まって以来の生徒会のパラダイム転換をやってのけたそうです。そういうときは、幾つもの壁が立ち上がり、葛藤が生まれます。それを一つ一つクリアしていくGRIT精神が凄まじいのです。
★仲野さんが突進し、壁にはねのけられても、郷野さんや他のメンバーと夜を徹して語り合い、立ち臨み、一つ一つ壁をクリアしていったということです。それが、一般社団法人生徒会活動支援協会が実施した、日本生徒会大賞2020の個人の部で優秀賞受賞につながりました。
★実は、この賞は、仲野さんが全国の学校の生徒会のフォーラムに何度も参加し、生徒会の新たな可能性を見出し、それを実行することで賞をとるのだと公言して受賞しました。有言実行の成果をあげたのです。とは、いえ、今まで挑んだことのない新たな生徒会の活動をやったからといって、すぐに獲れないだろうと最初はみなまさかと思っていそうです。
★仲野さんは、俄然燃えたわけですね。その内なる情熱。誰にでも燃やせるものではありません。外から燃やせと言われてできるものでありません。この心的構造は、仲野さん自身の才能だし、メンタルモデルの土台だと思います。その情熱の火を消すことがなかったのがなぜか?これも本シリーズで明らかになっていくことだと思います。
★さて、仲野さんと郷野さんは、工学院が21世紀型教育を行っていくぞと宣言し本格的に改革を実施したときの一期生なのです。田中歩先生は、
「この嵐のような教育改革は、今となっては大きな飛躍につながって自信がつきましたが、最初は教師も生徒もたいへんでした。突然教師全員が海外やIBの研修を受けに行ったり、ケンブリッジイングリッシュスクールとしての認定をうける準備をしたり、授業は一斉授業からPBLにすぐに転換するような流れになったりしましたからね。高1高2で完成させる探究論文のプログラムも創ったし、Mogや3カ月留学など今までなかったグローバルプログラムもつくりました。そのたびに私たちも海外を飛び回りました。英語科でなくても英語を使わざるを得ない環境ができてしまいました。そして、彼らが、高2の時に今までの修学旅行をグローバル・プロジェクトとという形で、新しいものにしました。でも思考コードを最初につくってブレない軸をつくったのはよかったかな。それに、これだけの体験を積んだ教師たちは、今回のパンデミックで、フルスペックのオンライン学習へ移行しなければならなかったときは、もはやそれほど戸惑いはなかったですね」
★と、いつも語っているのです。そして、今回こう言っています。「二人の話を聞いて、この改革は、生徒の学園生活も隅々に渡って変化を迫ってきたのだということが良く理解できました。そして、その変化に二人は果敢に挑戦してきたのだということも。中学の時の二人と卒業間近の二人は大きく変容しています。いっしょに改革を歩いてきたいや走ってきた同士です」とインタビュー後、メッセージが届きました。
★そういうわけで、郷野さんは、仲野さんのことを、軸がブレないマインドを持っています。何があってもそこは崩れない。だから進める。ただ、軸があるから柔軟です。はねのけられても、きっちり考え抜いて方法をブラッシュアップして乗り越えていきます。そんな人材、大学は欲しいに決まっていますよと。
★仲野さんは、郷野さんのことを良い意味で〇〇(これはいずれご紹介します。今ここで書くと誤解されるかもしれませんから^^)ですよ。自分の興味のあることはガアッーとやってのけます。もの凄い集中力です。今回の進路も決まるまで時間がかかりました。しかし、決まるとものすごい勢いで書類作成や対策を行いました。しかし、それは〇〇だからできたんだと思います。普通だともっと前から決めてじっくり準備していくのが総合型選抜への臨み方です。
★もちろん、郷野さんは、仲野くんも十分〇〇ですと。
★生徒会の活動のやりとりだけではなく、それぞれの総合型選抜の準備のこともよくしっているのは、友情もさることながら、二人が頼りにした教師とあえて壁になった教師の存在も大きかったでしょう。オープンマインド、田中歩先生はGrowth Mindsetといつも呼んでいますが、このマインドセットが学内には広がっているから相乗効果があったということもあったでしょう。
★いずれにしても、仲野さんと郷野さんは、新しい工学院の生徒会像を創ったわけです。これも世界を変える出来事だったのです。どうやら総合型選抜で重要なのは、体験を重ねるだけではなく、世界を変える意志と実績ということが見えてきました。
★ストーリーテラーの仲野さんとアートの知をもつ郷野さんの話は、まだまだつづきます。(つづく)
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