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2021年1月 6日 (水)

2021年中学入試情報(07)かえつ有明が躍進するわけ 1月29日、副教頭佐野先生をお招きし対話する予定です。

★首都圏中学入試がいよいよというときに、まずは、かえつ有明の国際生入試は終わりました。トータルで、696名の応募(11月から12月にかけて3回ありました)があったのです。やはり今年も人気があります。同校の英語力を有した生徒の力は入学後多方面にわたりプラス効果を生み出しますから、かえつ有明の新中1の学びの豊饒さはほぼ決定づけられたも同然です。

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★エっ!かえつ有明は帰国生頼りなの?と思われるかもしれません。いいえ、そうではありません。2科4科の定員は100名/180名ですから、56%を占めます。帰国生は定員40名ですから、占有率は22%です。2:8の論理で、シナジー効果が生まれるという意味で、帰国生の受け入れは今やどこの学校も大切になっています。グローバルな時代です。英語というよりダイバーシティというわけです。

★しかし、上記の表にあるように、思考力入試とAL入試で30名定員があります。17%です。20%には手が届きません。ところが、国際生入試が2月2日にあります。この入試は帰国生とは限らないのです。2020年は小学校5年生と6年生で英語は教科化され、4技能が重視されるようになりました。ですから、国内で英語を学んでいるだけで受験資格はあります。

★この3種類の試験は、思考力と言っても批判的・創造的思考力を要しますから、2科4科テストとは違う考える体験が必要です。今年は、大学入試でも総合型選抜が相当難しくなっています。オリジナルの体験と高次思考力が問われるようになってきたのです。

★かえつ有明は、それよりも随分前からそのレベルの思考力入試を行ってきたわけです。中学受験に合格するための勉強ではなく、小学校段階から自分の人生を探究する学び=人生そのものの探究が始まるわけです。

★グローバルな時代はこれからは多言語が必要です。AIによってすぐれた翻訳機能が出てきますから日常会話や研究論文は問題がないのですが、人間関係を広め深めるには、AIではできない部分が相当あります。論理の前に直感や感性が必要だからです。

★つまり、交渉は、すでにある情報を素早く正確に読み解くのではなく、隠れた感情や想い、情報を推理しながら未知の世界を開いていくことですから、今のところまだまだAIではできない部分もあります。

★ですから、バイリンガルぐらいにはならなくてはという時代を止めることができません。言語が多言語になると、思考も多角的になります。言語や文化の差異を理解しながら推理しながら共感する関係を創っていくからです。

★そういう意味では、英語と思考力において、帰国生であれ、国内生であれ、優れた生徒が20%以上いると学内はシナジー効果が生まれるのです。これは脳科学的にも証明されています。新しいものやひと現象と交流すると脳は刺激を大いに受けるのです。ワクワクするのはそういうことです。2:8の論理は古いパレート最適という考え方ですが今も通用する考え方です。

★ところが、かえつ有明は、2月1日前の国際生入試と2月2日の国際生入試を合わせると50名の定員になります。それに思考力入試の定員を合わせると80名になります。占有率は44%にもなります。

★2科4科の生徒だけと比較して、知的ケミストリーがどちらの方がエネルギがーが生まれるかいうと、言うまでもありません。

★しかも、2科4科で入学してきた生徒も全員アクティブラーニングの授業を体験していくわけです。高校入試もプロジェクト科が1クラス入試を行いますが、このクラスは破格のアクティブラーニングクラスです。中学からの生徒に負けません。

★かえつ有明の偏差値が近年難しくなるのは当然です。従来は圧倒的に2科4科の生徒が多かったのです。ところが今や2科4科では定員の56%しか入れません。狭き門になっています。それでも、果敢に挑戦するのは、生徒が自ら考え自ら判断し、自ら探究していくことがいかに魅力的かということだし、それができる物心両面の安心安全を生み出す教師力があるからです。

★このあたりのことは、1月29日(金)、入試直前ですが、GLICC Weekly EDUでゲストとしてお招きする佐野副教頭と対話したいと思います。お楽しみに。

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