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2021年1月19日 (火)

2021年中学入試情報(23)聖セシリアの丁寧な教育路線が興味深い。

★2021年1月18日現在(首都圏模試センター出願倍率速報)で、聖セシリア女子の中学入試の応募者総数前年対比は81.0%で順調に伸ばしています。2月1日までには昨年を上回る勢いです。

★その根拠は、入試の種類によっては、すでに前年対比100%を上回っているからです。A方式の1次の4科は前年対比135.7%です。A方式4科は119.7%です。

★一般に2科4科選択の場合は、2科の方が多くなります。2科4科選択の場合、合格者の選抜方法は、「まず、第1段階として全員が共通で受けている、国語・算数2科目の合計得点順に、合格者を選抜します。ここでは合格者全体の約70~80%を決定します。そして、第2段階として、第1段階で選抜されなかった4科目生から、4科目の合計得点順に合格者を選抜します」と、これは聖セシリアの方法ですが、多くの学校が同じような方法をとっています。

★この条件で4科目を選択する方が多いというのは、同校を第一志望にしている生徒が4科目を受けているというケースが高いということを意味します。というのも、午後入試を他の学校を受けるとすると、余裕を持って移動することを考えると2科目で受験するほうが合理的です。

★もちろん、2科目受験で第一志望という受験生もいます。その場合は、2科目の準備に絞っていた生徒ということでしょう。

★聖セシリアは、グループ・ワーク入試や英語入試も行っています。

★だからといって、学内では、2科目と新タイプ入試でよいのだという流れにはなりません。

★あくまで、聖セシリアで学びたいのだけれど、2科目までの準備しかしていない、国語や算数の準備も十分にできなかったけれど、グループ・ワークを通して考えることは大好きだ、英語なら自信があるというそれぞれの生徒の才能に対応できるマッチングシステムを丁寧に作り上げているということでしょう。

★何か特別な学びを想定しているのはなく、小学校までに受験生が経験してきた学びが結びつくように丁寧に入試システムをつくっているわけですね。

★この丁寧な教育路線は、あくまで生徒自身の学びに寄り添う同校の姿勢そのものです。時代が変わるからといって、それを見据えた新しい教育を押し付けるのでも、国公立大学の一般入試には4科目入試の受験準備が大事だから、4科目受験でなければだめだという進学校然としているわけでもないのです。

★では、new power ではないのか?と思われるかもしれません。いいえ、結果的にこの入試システムは最先端のペルソナマーケティングの手法です。経済社会の世界も、丁寧なコミュニケーションを大事にする時代になったわけです。

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