2021首都圏中学入試(06)和洋九段女子 生徒と共に創る新思考力入試 入試のパラダイム転換!
★首都圏模試センターの11月の合判模試の和洋九段女子志望者数は、189人。昨年に比較すると微減ですが、合判模試自体、新型コロナの影響で今までとは条件が違いすぎるので、微減は横ばいと読んでもよいと思っています。というのも、同校の説明会は昨年に比べ多いからです。
★それと、同校の場合は、昨年と違って、2科4科の受験生だけではなく、PBL入試や新設の「思考力入試」の受験生が増えていますから、その新タイプ入試を受験する生徒が2科4科を判定する合判模試に参加していないということもあるからです。これは、和洋九段女子だけではなく、新タイプ入試を行っている学校は、同じような状況になっているかもしれません。かつてのように、模擬試験のデータだけでは人気の傾向は読みにくくなっています。
★最近では、学校のサイトが情報ソースとして最も大事だといっても過言ではないかもしれません。特にコロナ禍にあって、オンライン説明会に一斉に移行した時期が長かったですから、サイト情報が豊かになっています。
★和洋九段女子も更新率が高く、学校の様子はいうまでもなくよくわかります。何より、今回の「新思考力入試」のように、生徒がかかわって、たんなる選抜テストから、在校生自身がいっしょに学んでいきたい後輩と出会いたいという一期一会入試を開発していることがわかるページを読むと感動してしまいます。
★サイトにはこう書かれています。
2月2日午後実施予定の「新思考力入試」について、テーマや評価の仕方を動画で説明しています。 本校の生徒もプロジェクトチームに加わり、テーマや評価軸について考えてくれました。 今までにない入試の一つとして、PBL型入試に続く本校オリジナルの入試となります。 ぜひご覧ください。
★試験の中身については、ぜひ生徒自身が伝える動画をご覧ください。それにしても、ベルリンフィルのように、仲間を受け入れる時に、メンバー自身が対話したり演奏を聞いたりして決めていくようなこの試験は、選抜ではなく共に生きる出会いを求める機会になっています。また、その試験のスタイルは、あのミネルバ大学の入試スタイルです。万が一パンデミックが拡大しても、オンライン入試に切り替えられます。何といっても公正性を保てるシステムでもあります。入試のパラダイム転換の契機となるでしょう。
★新井教頭先生は、SNSのコメントで次のようなメッセージを送ってくれました。
プロジェクトチームの生徒たちは「こんなことを未来の和洋生と一緒に考えたいな」という思いで考えてくれました。もちろん、共にサステナブルな世界を創っていくメンバーとして😁私たち大人はサポート中心です😅。
★SNSやオンラインを自在に活用して、情報を共有したり、共感できる絵文字も使ってしまうとは、従来の制約の多い女子校とは全く違う雰囲気があふれています。
★今回の入試を開発したり動画を作成した高校生は、中3の頃から私は出会って、今もときどきどき対話しています。SDGsのスゴロクを開発して、国連関係部署や企業や大学などとコラボレーションして活動もしているため、インタビューしたのが出会いのはじまりでした。
★いっしょにセミナーを行ってくれたり、かえつ有明とZoomコラボセッションで、未来創造の対話をしたりもしています。そのZ世代のみなさんが、こんなすてきな入試を先生方とコラボして開発し、ルーブリックまで作成してしまうとは!さすがはPBLキングダムの学校ですね。お爺ちゃんの涙腺はゆるみっぱなしです。
★和洋九段女子のSDGsの取り組みは、中1から6年間通して貫く学校あげてのスーパーストーリープログラムです。現在と未来に向かって、活動しているので、そのつなりは多様性に満ちています。まさにグローバルプロジェクトなのです。
★そして、大事なことは、過去にそのルーツをたどると、女子校で行うことの価値がさらに発掘されるのです。
★ローマクラブで発刊した「成長の限界」の著者ドネラ・メドウズはシステム思考を展開し、今のSDGsの考え方の土台を作ったし、サスティナブルという言葉をつくったのはノルウェーの大統領グロ・ブルントラントです。二人とも女性です。また、現在のローマクラブのトップリーダーも女性です。和洋九段女子の時代ですね!
★また、SDGsのもとになっているのは、1972年の国際連合人間環境会議(United Nations Conference on the Human Environment)で、細菌学や感染症の研究者ルネ・デュポスの提唱です。今のSDGsの地球は1つの家であるというコンセプトは、デュポスらが書いたレポート<ONLY ONE EARTH>です。ダボス会議は、ローマクラブや国連のこのような見解を組み入れて、環境破壊や格差をもたらした経済社会をグレートリセットしようとチャレンジしてもいます。
★和洋九段女子のZ世代のみなさんは、このような幾つかの系譜をしっかり取りまとめて継承しつつ、独自の活動をし、日本の教育のパラダイム転換を生み出そうとしているのです。みなさんぜひ応援しましょう!
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