工学院インパクト(22)田中歩先生と振り返り、未来を展望する。PBL銀河計画③
前回のつづき「工学院インパクト(21)田中歩先生と振り返り、未来を展望する。PBL銀河計画②」
★田中歩先生は、すべての生徒が自らPBLをデザインすることができることを目標としているわけです。教師がPBLをデザインして、その中で生徒が生き生き積極的に主体的に学んでいたとしても、それは教師の掌の上での話です。それでは、限定的な主体性です。
★教師のPBLでは、もちろん学びのテーマがあり、そのテーマについて生徒は学ぶのですが、同時にその学びのプロセスをモデルに、生徒自身が自分なりのテーマをみつけ、自分なりのプロジェクトを構想し、実行していくようになるというのが田中歩先生のPBL銀河構想です。
★そのためには、多くの経験をデザインし、生徒がそのいずれかの体験から自らのPBLを生み出して欲しいと。人間というのは、きっかけはいろいろですから、無限に用意はできませんが、そこは教師の経験で、「契機力」ある経験プロジェクトをデザインするわけです。
★しかしながら、その「契機力」だけに依存していても、すべてを網羅するわけにはいかないのです。
★契機力すら生徒がみにつけなければまらないのです。一見、自分の関心がなさそうでも、そこに興味のきっかけをみつけることができる「契機力」をです。「契機力」なんて変な日本語だよとお思いですか?
★田中歩先生は、英語の教師だから、これをOpprtunity Discovery Powerと了解しているわけです。
★このODPこそ、実はモチベーションの源だと田中歩先生は語ります。
★では、このODPとはどうやって身に付くのでしょうか?
★それは、「ことば」というメタ道具の力によってなのです。先日Zoom対話したときの図は上記のような感じです。
★「ことば」は思考の道具ですが、道具の中の道具です。そういう意味で、「ことば」はメタ道具です。道具の中の道具なので、とても難しいのですね。私がスマホやPCの機能をほとんど使えていないように、人間も「ことば」のすべての機能を活用することはでいていません。
★したがって、人間は壮大な歴史の中で、「言語」とは何か学び続けています。
★しかし、人間は生きていく生物です。「言語」とは何かすべて解明しなければ、生きていけないとなると厄介な話です。ですから、わかったところで、それを道具化して可視化します。代表例が「レゴ」ですね。
★ことばの一部の機能を「レゴ」化すると、互いに理解がしやすいという経験は多くの方々がしていることと思います。
★田中歩先生はバイリンガル教師ですから、英語と日本語を「ことば」というメタ道具として活用したり、言語という「道具」として活用したりと使い分ける対話を生徒と日々行っているわけです。
★だから、この「ことば」という「メタ道具」についての豊かな対話ができます。
★それにしても、田中歩先生は、このような「メタ道具」をすでに実装していて、デフォルトモードネットワークとして活用しています。すべてが身体化していて、いつでも発動できるような構えになっています。静かに笑顔をたたえていても、このネットワークが身体中で働いているのです。
★脳科学では、このモードは、1つのことに全集中しているときより、脳のエネルギー消費量は多いと言われています。したがって、デフォルトモードネットワークをリラックスモードネットワークにスイッチを切り替えるスキルも体得しています。その一つが家庭サービスなのかもしれません(笑)。
★デフォルトモードネットワークは、共感的コミュニケーションが生まれる泉です。
★リラックスモードネットワークは、マインドフルネスの森です。
★そしてこの泉と森の中からクリエイティブクラスが生まれます。
★この泉と森を活用してた学びの場こそPBL4CCということでしょう。
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