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2020年12月 7日 (月)

2021首都圏中学入試(10)新タイプ入試に向けた学びを求める受験生と保護者増える

★GLICCで、国語のクリエイティブコースを週に1回担当しています。4年生と5年生です。あとはZoomで大学入試の総合型選抜や帰国生の小論文をシーズンのときに何人か担当します。不思議なことに小学生と高校生の学びの方法は変わりません。もちろん、気づきの深さや広さは違います。

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★SDGsに関しては、小学生も高校生も同じトピクやテーマを話題にします。やはり、あまり変わらないのです。フィールドトリップは、小学生でも身近なところばかりではなく、高校生同様に海外の体験もあります。

★本はできるだけ一冊まるごと読むようにしています。授業で扱うのは、その一部分ですし、たとえば、モモを読んだら、モモの文章そのものを分析するというよりは、モモについての論文を読んで、自分の考えをぶつけます。

★高校生の場合だと、これがたとえばルソーやアダム・スミスについての大学の1年、2年で学ぶテキストを丸ごと使います。そして、それに対する論文をやはり読んで、自分とどう考えが違うのか、自分はどう考えるのかを対話します。

★物語を扱った場合、小学生は、物語の続きを創作します。もちろん、心情分析やキャラクター分析はします。キャラクター分析や心情分析をやる際に、よく漫画を使います。コボちゃん、スヌーピーが描かれているピーナッツ、ドラえもんは常連です。分析は、心情の変化グラフとそこに13フェーズの構造を書き込みます。

★高校生は、志望理由書に物語の構造を活用しますから、小学生も高校生も学びの基本構造は変わりませ。結局デューイやブルーナーの構造一元論ということでしょう。いわゆるコンストラクショニズムですが、実はこれがPBLの肝です。スタイルは多様でよいのです。

★どうして、こうなってしまったかというと、中学入試の新タイプ入試、とくにかえつ有明や聖学院、和洋九段女子の思考力入試に向けて学びたいという要望に応えると、それは総合型選抜や帰国生入試に直結してしまうからです。

★とにかく、フィールドワーク、文献リサーチ、動画分析、小論文、物語創作、スピーチ、議論という経験は小学生も高校生も同じです。これで<直観力>を養います。

★そして、タブレットやPC、レゴ、パターンランゲージカードで、自分のシステム思考のリフレクションをしていきます。このモニタリングは、自分なりの思考の方法や感情の方法、学びの行動の方法を創っていくことになります。

★この方法というものは、小学生は小学生なりに創れるのです。小学生と高校生とでは、方法の強さは違いますから、方法論の成長が、実は学びの成長につながります。

★しかし、この方法論は、経験によって閃く直観経験をメタ分析することによってしか生まれないので、経験はとても大切なのですが、そこを体系的知識に置換えて効率よく教育を行ったのがヘルバルト主義を採用した国家による教育です。

★アインシュタインが、この国による正規の教育の中で、好奇心がサバイブしたとしたらある種の奇跡だとまで言いました。

★最近、どうやらアインシュタインの言ったことは正しいかもしれないということがだんだんわかってきたのです。そこで新タイプ入試や総合型選抜が重視されるようになってきたわけです。そうだ私立学校は独自の教育ができるのだからと。

★それと、英語の学びが速まったために、国算と英語というタイプの入試も増えてきました。中には国語と英語だけとか、A2の外部資格試験の証明があれば、英語の入試は免除で国算だけでよいとかいう入試も登場してきました。

★そんなわけで、受験生や保護者の中には、思考力入試や適性検査型入試のような新タイプ入試対策と英語の対策と算数の対策で受験できる学校を探すという新しい学校選択の方法を考える方が顕れてきたのです。

★かえつ有明、聖学院、和洋九段女子以外にも、思考力と英語と算数の準備で受験できるところはありますかと。三田国際はもう難しいので、他にないでしょうかと。そんなとき、城西大城西の試験は魅力ですよねとかなるわけです。

★上記のような図の思考力を豊かにする学びの環境に慣れてしまうと、2科4科入試に戻れないというのです。

★2科4科入試の勉強をしても、ダボス会議で推奨する未来を切り開く10のスキルは身につかないというのです。必ずしもそんなことはないのですが、かつてのように、思考力入試がなかったときは、2科4科の入試勉強を通して思考力を養ってきたのでしょうが、今はあるのだから、ダイレクトにそこの学びをやりたいのだと。

★好奇心旺盛でその領域に没頭していける学びができて、中学受験ができるのならそちらの道を選びたいと。そういう価値志向性を有している家庭の子どもということもあるのでしょうが、とにかく読書に対する抵抗はあまりないのです。もちろんこれを読みなさいといったら読まないということもありますが、それでも今月の本として2冊渡します。さっさと読む生徒もいるし、あるとき、突然読みだす生徒もいます。

★読書は、共通言語を創り出すので、生徒中心主義の授業は、これがないと幅が広くなりませんね。

★高校生の場合は、自分のテーマに対する本や論文を毎週読むのは当然という感じです。生徒自身も読むべき本や論文も調べてくるし、私の方でも情報提供します。Zoomを使おうが、タブレットを使おうが、文献リサーチの重要性は、小学生も高校生も同じです。

★従来の受験勉強では、多感な時期にこのような多様な体験をとおして直観力を生み出し、それをシステム思考へ転換するという学びをできないのがもったいないと最近しみじみ感じます。

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