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2020年11月15日 (日)

新しい教育社会(28)ポストコロナはシステム思考とPBLの時代 和洋九段女子とかえつ有明の12人のZ世代に触発されて。

★従来、学校は、社会に出たときの最小限の資源養成所でした。天然資源と人材資源という考え方が背景にあります。どちらも枯渇したらそれでおしまいです。ですから、パワフルな資源は資本に転じます。資源に固執すると、それが枯渇するとそれで終わりですから、資源と切り離して、資本として集積するように勝ち組組織は機能していきます。

★資源がなくなると、その資源に依存している組織や社会は衰退します。資源があっても資源から切り離された資本がなくなればその資本に依存していた組織や社会は衰退します。

★今回の世界同時的なパンデミックは、まだ天然資源はあるにもかかわらず、資本がなくて衰退する組織が増大しました。そして、その組織で働いていた人々もその資源をいかす場がなくなるわけですから、たいへんな事態になっています。自殺者急増というのはその象徴です。

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★新型コロナウィルスの感染防止と経済の循環のバランスをどうするかは喫緊の課題です。しかし、それは以上のようなパラダイムを変える必要があります。

★資源と資本という一見単純な区別は、実はここにトリックがあったわけです。SDGsで警鐘を鳴らすのは、資源問題と貧困格差です。17のゴールの背景には、資源の配分、つまり正義問題があるのですが、それが資本の再分配という解決策に移行しがちです。

★しかし、今回のパンデミックで、それはみせかけだったということがはっきりしたわけです。SDGsの根本は、資源問題を解決することだと再定義しなくてはならないでしょう。

★そして、その再定義で、資源と資本を分けてはいけないということです。そうしなければ、資本の再分配を重ねても、資源の独占は続くからです。独占とは何か、排除の理論です。ですから、人材を資源とみなすと、排除の理論が貫徹するのです。

★人材は才能とみなす。すると、その資本は才能によって創られる。才能によって創られた資本は資源に含まれます。枯渇する資源が常に回復する資源となります。

★そんなばかな!と言われるかもしれませんが、キャピタリズムからタレンティズムへというダボス会議の動きは根底にはそれがあります。パラダイムシフトの時代の要請です。

★しかし、こうなるかどうかは、ドネラ・メドウズやピーター・センゲのようなシステム思考をするかどうかですね。自己強化プロセスとバランスプロセスの循環ができるかどうかのループ図を使って、思考できるかどうかです。今回のエッセイは、上記の図のようなシンプルなループ図を描きながら記述しました。もちろん、現実は、このループに多くのループがつながるし、結節点の内包的関係が開放系になっていきます。

★ともあれ、このループを考えるプロセスは、先日、和洋九段女子とかえつ有明の12人のZ世代と対話したときに私の中に生まれてきました。この対話はまさにPBL(Project Based Learning)です。

★RとBの循環が持続可能になることが人間の不平等の起源を断ち切ることができるのだと。

★そしてそのためには、システム思考の循環ループを生成するPBLが大切なのだということを実感しました。PBLの環境がある和洋九段女子とかえつ有明の≪Z世代≫との対話によって確信を得たのです。

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