八雲サードインパクト(06) リスクテイカーとしての組織 気概と覚悟
★本日土曜日(2020年11月22日)、八雲学園は中学校説明会を行いました。いつもは、20組サイズの説明会を実施していますが、今日と12月20日は100組サイズの説明会を実施します。サイズにかかわらず、新型コロナ感染を防ぐために、申し込み必須です。
★ですから、会場は、3密を防ぐための椅子の配置になっていました。毎回、そして今回も申し込みはすぐに埋まりました。オンライン説明会では、やはり学校の雰囲気がわからないので、学校も保護者も互いに気を付けながらの説明会実施です。中学入試も完全にニューノーマル時代に突入していると実感しました。
★入り口では、手指消毒と検温も徹底していました。個人相談のブースも八雲特注のアクリル板で飛沫を遮断する対応がなされていました。
★舞台やコンサートなど人が集まるところは厳しい感染防止策をとるのがニューノーマルです。中学説明会も同じです。ですから、恒例の多人数の生徒が演じるイングリッシュパフォーマンスは行われませんでした。しかし、リアルな場では、生徒が説明するコトは外せません。そこで、9カ月海外プログラムを体験した生徒が1人、この八雲のグローバル教育の象徴的なプログラムをオールイングリッシュでプレゼンテーションしました。
★最近では、帰国生の高いニーズにこたえて、帰国生入試も行うようになっていますが、小学校の時に英語に力を入れていなくても、つまり、八雲学園ではじめて本格的に英語を学ぶ生徒も、在校生代表のように英語を軽やかに話し、英語で考えるエッセイライティングまでできるようになるのだとうことに、保護者はすぐに気づいたことでしょう。
★高校生がプレゼンした後に、八雲学園の理事長・校長近藤彰郎先生が登壇しました。一般の学校だと校長がまず話すのですが、体験を重視している同校は、在校生のプレゼンテーション体験でイメージをつかんでもらい、先生方の説明をしていこうというPBL型の授業にも通じるデザインになっていました。
★八雲学園の教育は、とにかく破格で、英語もC1を目指すのだと、校長ははっきりとあっさり語ります。海外との連携も、IBを超える海外のエスタブリッシュな私立学校のコミュニティROUND SQUAREの加盟校に認定されています。レジデンスもカリフォルニア州サンタバーバラにつくり、ふだんから自由に海外研修ができるようになっています。
★ICTも、1人1台の環境をつくり、パンデミックで休校になった期間中もフルスペックでオンライン授業を行っていました。
★プレゼンテーションを中心とするPBL授業は英語に限らず、全教科で行っています。
★体験はとにかく一流の場に立つことをモットーにしています。
★この質の高いオールラウンドな体験が、必ず生徒の未来のどこかのタイミングで役立つのだという近藤校長の想いがあります。しかし、これはなんとしてもやるのだという決意がなければできないのですが、この断固たる決意が心の底から必要なのだということを教師も在校生も感じ入ったのが今回のパンデミックへの学園の見事なまでの対応でした。
★近藤校長は、すべて中止して、すべてオンラインにするのは簡単です。うちの先生方も生徒もオンライン授業を乗り越えていますから、そうすることはできないことではないのです。しかし、八雲の教育の根幹は体験なのです。体験の機会をすべてなくすことは、その根幹がブレることを意味します。根幹がブレてしまうと、なるほど八雲のように人間力を形成する教育は支障をきたすでしょう。
★ですから、近藤校長は、あらゆる情報を集め、識者にダイレクトに科学的根拠を聞き、最終的にご自身で判断をして、断固たる決意をもって、サンタバーバラや九州の研修、体育祭などをやりきるわけです。
★業者やエージェントに協力してもらいながらも、丸投げすることはなく、近藤校長自身の目と耳と頭で判断していくわけです。もちろん、学内の先生方と協力して。
★各地域での感染状況の推移、各国の対応や制度、交通の3密状況などなどすべて調べ尽くしたそうです。
★近藤校長は、「それでも感染防止は100%できるというわけではない。しかし、諦めることなく、最善を尽くして大事なものを失わないように知恵を使うのが八雲学園なのだ」と語るのです。
★説明会終了後、お忙しい中、時間をとっていただき、お話をお聞きしました。教育者たるもの生徒の未来の可能性をできるだけ守るのは当たり前だ。ただし、そのためには、人に頼らずに、徹底的に自分で調べ、専門家の知恵を参考にするものだ。これは何もパンデミックに限ったことではない。震災や戦争がいつなんどき起こるかわからない。予測不能とはそういうことだろう。八雲学園は戦争を乗り越えてきた。パンデミックだからとあきらめるわけにはいかないのだと。熱い思いに感じ入りました。
★また、今後の中学入試の私立学校全体の対応の戦略についても聞くことができました。相当の気概と覚悟が決まっているのに改めて感服。断固たる思いに自分の心が洗われるようでした。
★教育者の勇猛果敢なリスクテイカーとしての気概に感服しました。
★今回の学校説明会には、日能研の重鎮永井先生も参加していました。昔お世話になっていたので、感謝の意味を込め、ダライ・ラマが同校を訪問したときに座った椅子の前で写真を撮らせていただきました。
★永井先生は、中学入試(学校が主導する)と中学受験(塾が主導する)の両領域のシナジー効果を生み出す架け橋です。今後しばらく日本の経済は低迷するでしょう。20世紀末のバブル崩壊後、リーマンショック後の経済ダメージを乗り越えてきた両者がつくる市場ですが、今回もまた協力し合うことが必要でしょう。両者の共通点は、同じ子供を抱えていることです。つまり、子供たちの未来の可能性を守る想いは共通しているのです。
★そのための本物への断固たる意志。胸を突きさされてしばらく何も考えられない状態に陥っていました。
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