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2020年11月28日 (土)

ノートルダム学院小学校のPBL授業のリサーチ&ワークショップ①

★先日、ノートルダム学院小学校のPBL授業のリーサーチ&ワークショップを行いました。チームNEXTの活動です。メンバーはその都度参加したい先生方が集まります。教師というのは、どこの学校も忙しいため、定期的に全体の教員研修を行うというのはなかなか難しいのです。そのため、時間の都合に合わせて自由に参加できるチャンスを作っているようです。したがって、少人数の会です。

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★基本、1人の先生がご自身の授業をプレゼンし、それについて、いろいろな角度から対話していきます。授業分析というスタイルですが、リフレクションとシェアの竜巻になりますから、参加したメンバーも気づきがあり、自分の授業に活かそうということになります。

★Project Based Learningは、今では世界中の幼稚園から大学まで、いろいろなバリエーションもあるし、呼び方もいろいろあります。定義がないというのが世界の常識ですが、日本では何か1つの正解があるとおもわれがちです。

★日本の教育は、明治以来ドイツの保守的な教授法を体系化したヘルバルト主義が広まっています。つまり、20世紀型の一方通行的な講義形式の教授法ですね。日本ばかりか、世界にも広がり、インストラクショニズムの流れを作ったかもしれません。

★これに対し、コメニウス―ルソー―ペスタロッチーフレーゲの流れや、ルソーーヘーゲルーデューイーパトリックの流れや、ルソー―ピアジェーシーモアパパートーレズニックの流れや、ルソーーレヴィ・ストロースーハワード・ガードナーの流れなど、経験や多様な才能を認めるプロジェクト型のPBLの流れがあります。この教育学の流れは、認知心理学やフッサール以降の新しい哲学、文化人類学、量子力学的な対話理論とシンクロしているともいえます。

★大正自由教育などもこの流れで、私立学校の中には、これが連綿と流れ続け、今日の21世紀型教育につながっているところもあります。

★シリコンバレーや世界大学ランキング100位以内(東大や京大はまだまだですが)の大学ではプロジェクトは当たり前です。世界のエスタブリッシュな私立学校も当たり前になっています。

★IB(国際バカロレア)なども経験を重視しますから、自ずとプロジェクト型が中心になります。

★しかし、割合にすると、日本では97%はざっくりいうと未だにヘルバルト主義です。諸説ありますが、教育学者の中には悪しきヘルバルト主義と語る人もいます。

★ただ、これではポストコロナの時代は乗り越えられないという認識が、イノベーティブな企業や学校では広まっています。経産省や文科省も気づき始めました。

★しかし、教師主導の道徳主義中心のヘルバルト主義というパターナリズムは、まだまだジェンダーの問題が先進国でも深刻だといわれているように、なかなか変わるのは難しいと言われています。

★やはり、そこは文科省から相対的に自由な私立学校が道を開かなければならないのかもしれかもしれません。

★今回のパンデミックによるオンライン学習に踏み切ったのは私立学校の方が多かったというのは、その証の1つでしょう。

★ノートルダム学院小学校は、そのファーストペンギンよろしくチャレンジしている学校の1つです。

★今回の秋田先生のロイロノートやグループワーク、ルーブリックを活用したPBL型授業は、ヘルバルト主義を超えた体験とメタ認知を組み合わせたすてきな授業でした。ワークショップを通して気づいたことを紹介していきたいと思います。(つづく)

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