新しい教育社会(19)学校の4つの価値志向のうちコンサバ型が安定する理由。ヴィヴァルディの四季の演奏に置換えてみる。
★今、「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が投開票され、反対多数が確実となりました。前回同様僅差でしょうが、否決されたわけです。これによって、何も変わらないかというと、大阪維新の会と自民党の関係が微妙に変わるでしょう。それによって、自民党がさらに強化されてしまうのかもしれませんね。しかしながら、明快に変わることの意識というのははっきりしたわけです。この意識をどのような形で実現していくかは、また別の問題です。つまり、都構想は否決されたけれど、その構想への意識がなくなるわけではないということです。むしろこの意識はさらに強くなるでしょう。
★学校の4つの価値志向も同じで、コンサバ型価値志向が基本なわけです。しかし、同時に革新的価値意識は、どんどん強くなってもいます。
★これをヴィヴァルディの「四季」の演奏に置換えてみましょう。コンサバ型価値志向は、安定的に人気のある「イ・ムジチ合奏団」の演奏でしょう。まずはこれをみな最初に耳にするでしょうね。
★しかし、ブランディングマーケティング型志向は、カラヤン率いるベルリンフィルとあのアンネ=ゾフィー・ムターという見栄えもする四季の決定版みたいな演奏を好みます。
★一方、GAFA型は、オリジナリティと才能を追究します。普通はいらないし、高級もいらないのです。四季の演奏でいえば、チェリストのルカ・スーリッチによるチェロ版の初演奏版が好みでしょう。
★しかしながら、ここまでは、「四季」そのものの楽譜に刻まれている音符を変えようとはしません。
★ところがDAVOS型は、25%は残すけれど、それ以外は変えてしまう新しい「四季」を演奏するのを好むでしょう。マックス・リヒターのポスト・クラシック的なアプローチの「四季」です。
★さて、前回、麻布生や聖学院の思考力入試突破生、そして開成の海外大学進学生は、特異点に位置するという話をしましたが、このガウス平面で演奏する「四季」はあるのでしょうか?あるのです。マックス・リヒターのもう一つの「四季」は、1%くらいしか残さないけれど、紛れもなく「四季」だという新しい曲をアレンジしています。まさに、この「四季」を彼らは好むでしょう。
★しかし、一般に、「四季」といえば、なんといっても「イ・ムジチ」なのです。
★したがって、コンサバ型から革新へという単純な変化は社会は好まないということです。学校の価値も、4つの価値意識の互いの関係は変わるでしょうが、それぞれの価値意識がなくなるはずはなく、無くなっても困るのです。
★価値は多様であることが大前提だからです。子供たちの価値や才能が多様なのですから、学校の価値も多様でなければ、マッチングが適切にできないからです。
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