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2020年11月 4日 (水)

ポストコロナの大学入試問題(10)東大の不思議。一般入試では否定したはずの大学入試改革の行方を学校推薦型選抜学生募集要項には示している。

★東大の学校推薦型選抜の出願が、6日(金)までに迫っています。今年はチュートリアルをやる生徒に出会いませんでしたが、情報の1つとして要項に目を通しました。

★アドミッションポリシーにはいきなりこうあります。『1877年に創立された我が国最初の国立大学である東京大学は,国内外の様々な分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野を持った市民的エリート」(東京大学憲章)を育成することが,社会から負託された自らの使命であると考えています。』

★大日本国憲法でさえ変わったのに、東京大学憲章の根っこは変わらないと言いうことでしょうか。だとするならば、大学入試改革など反対だ。それは真のエリートにのみ開かれていればよいという文化が今もあるというのは納得です。

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★全国の校長会も、そんなの東大受験生に適用してよ。ほとんどの生徒には関係ないんだよというのもわかります。だとすると、民主的な国家とはいえませんなあ。

★だから、私は揶揄されようとも、偏差値に関係なく仲間の学校には、CEFR基準でC1英語(正確ではないけれど英検でいえば1級レベル)の学びの環境をといっています。東大の帰国生入試も推薦型も、C1英語をちゃんと求めているのです。

★それに一般入試では問うことがないクリティカル&クリエイティブシンキングをフル回転させる問いやレポート課題を出題しています。思考コードでいうC軸思考ですね。

★となると、当然PBL授業に耐えられる生徒像を掲げるわけです。こうあります。

『東京大学が求めているのは,本学の教育研究環境を積極的に最大限活用して,自ら主体的に学び,各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうとする意志を持った学生です。何よりもまず大切なのは,上に述べたような本学の使命や教育理念への共感と,本学における学びに対する旺盛な興味や関心,そして,その学びを通じた人間的成長への強い意欲です。そうした意味で,入学試験の得点だけを意識した,視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人よりも,学校の授業の内外で,自らの興味・関心を生かして幅広く学び,その過程で見出されるに違いない諸問題を関連づける広い視野,あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を東京大学は歓迎します。』

★わるくないのです。PBLをやって地球市民にこの学びが開かれるならば。ところが、これは、世界的視野をもった市民エリートのためだというのです。

★そうやって、PBLは一部私立学校では可能だが、公立はできない。格差ができると東大教育社会学で述べてきたのです。不思議です。

★そういっていても、はじまらないので、偏差値に関係なく、東大をスルーして海外大学もしくはそれに準ずる新しい日本の大学や学部へとエールを送っているのです。PBL環境に親しみ、地球市民として学問できる場に多くの生徒が今進んでいるのです。

★つまり、東大の帰国生入試や推薦型のやっていることは広く地球市民にエンパワー出来ることなのです。

★しかも、実質飛び級までやってしまっているのが東大の帰国生入試です。海外によっては17歳でもIBのDPをとれてしまうところがあります。当然ですよね、海外には飛び級やギフテッドがあるのですから。

★そういうわけで、いつまでも、東大生だから特別な学びができ、一般ピープルはその必要がないなんて、かつて学校なんかいかなくていい、身分の高い家の子が行くもんだという根性と同じことをいうのはやめましょうよ。

★みんなでC1英語を!みんなでPBLを!みんなでICTを!みんなで哲学を!みんなでクリエティカルシンキングを!みんなでクリエイティブシンキングを!

★1人も残さないといっているSDGs推進者の中には、質の高い教育をと叫びながら大学入試改革に反対する方もいます。不思議なぐらい東大と同根の文化を持っています。明治から一度憲法は変わっているんだけれど!

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