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2020年11月29日 (日)

ノートルダム学院小学校のPBL授業のリサーチ&ワークショップ④

★クリエイティブ・スクライビングは、ただ図や絵を描くというだけではないのです。描き終わったあと、参加者全員で再現していきます。全貌は秋田先生しか知らないので、みんなで協力して補完し合っていきます。不思議なことに、秋田先生が無意識のうちに行っていたことも指摘されたりして、多くの気づきが秋田先生も含めて相互に生まれます。

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(図は、Wikipediaから)

★クリエイティブ・スクライビングは、古典的なジョハリの窓の活用もできてしまうのです。対話が重要だというのは、レビナスも自分の顔は自分で見ることができないからと言っています。大事ですね。

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★クリエイティブ・スクライビングとグルグルのあと、今度は、3色のポストイットを活用して、秋田先生の授業には、どんなアクティビティが使われたのか、それによって生徒はどんな感情を生み出したのか、またどんな行動をとっていったのか、認知と感情と行動の3つの側面の分析をしていきまました。

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★この3つの側面を分析するのは、ブルームのタキソノミー(分類)の発想を活用しています。このタキソノミーは、現在、認知の側面しか使われないのですが、新学習指導要領では学力の3要素とかコンテンツからコンピテンシーへというカタチなどで再度読み替えています。

★ブルームの理論は1950年代のものですから、それから多くの学者がアレンジして発展させています。文科省も、いろいろな学者の理論をリサーチしていますが、上記のマルザーノの本もその一つです。

★ただ、ワークショップでは、ブルームのタキソノミーがどうのこうのということはあまり話題にしません。発想が大事なので、ブルームの分類方法という知識は参考程度でよいのです。特に教育や学習の理論は、現場の経験の分析から一般化されたものですから、秋田先生の中には、理論よりも前にすでに理論が展開しているわけです。

★私はファシリテーターですから、それを引き出して、ちゃんと理論とマッチングしているし、それ以上ですよということを確認できればよいのです。ホンマノオト21でこういうメモを書いているのは、そういうわけです。そして、そのことを多くの先生方と共有することも何らかの意味があると思っています。ただ、すべてを描くわけにもいかないので、どうしてもワークショップを経験したメンバーでなければわからないということもあります。そこはお許しください。

★秋田先生の今回の小4の国語の授業は、「プラタナスの木」という教科書に載っている物語を素材にしています。一般には、あらすじや段落ごとの要約、登場人物のキャラクターや心情の変化、そしてこの物語で重要と思われる深い問いを先生が発問して読解していくという授業になりますが、秋田先生の場合は、この物語の魅力を誰かに伝える場合、どうしたらよいのか考えプレゼンする内容を編集するというプロジェクト学習を行っていきます。

★生徒が主体的になるには、人間との関係をどう創っていくのかエージェンシーを発揮できる環境設定をどうするかがカギで、それをPBLのゴールにしているのが秋田先生の授業デザインの本意ですね。

★ですから、もちろん、読解というダウンローディングも行いますが、それ以上のプログラムになっているのです。

★ですから、タキソノミー分析をしていくと、自ずとそういう流れになります。しかも、認知部分の分析しかしないのが従来のやり方ですから、そういう意味ではブルームを超えた分析をしてしまったことになります。すごいですね。

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★出し合ったポストイットをカテゴリー分けしていくと、それが見えてきたのです。知識・技能だけではなく、論理的思考、創造的思考も生徒がフル回転させていることがわかりました。

★新しいプロジェクトに不安になる生徒もいましたが、徐々にのめりこんでいき、ワクワクする気持ちがわきでてきたことも了解できました。

★積極的に話したり、アドバイスし合ったり、シェアしたり、秋田先生が用意したアクティビティだけではなく、生徒自身がアクティビティを生み出すような行動をしていったということもわかりました。

★そして大事なことは、対話したり、考えたり、失敗を恐れないような安心安全な場が土台にあることが共有されました。その土台のうえで、やはりまた不安になる生徒もいますが、すぐに回復できたということにも先生方は気づいたのです。

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