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2020年11月24日 (火)

Zoom体験がもたらしたコト(02)もしヘッセがZoom体験をしたらどう感じただろう。探究も研究も超えて「道」を提唱したことを正しかったと思ったかもしれない。

★ここのところ、ますますZoomで対話をする機会が増えたし、SNSでの対話も多くなる一方です。私自身は、広く深くなる対話に満足しているのですが、最近、何か物足りない対話になっていると語る方も多くなってきました。おおー!みな「道」をZoom対話の向こうに見出し始めたのです。物理的な時空ではなく、Zoomというデジタル空間が内面の時空に置換えられる瞬間を感じるのでしょう。

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★学部時代や大学院時代は、法学部でありまながら、文学棟と哲学棟に入り浸っていました。当時ヘルマン・ヘッセとハイデッガーの第一人者がいたので、その空気を吸いたくて。だからといって、教授と対話したのは、数回です。

★今のように、フラットに話せる雰囲気はなかったからかもしれないし、自分の中でそう思っていたのかもしれません。何より、対話できるだけの自分の想いが明快でなかったということもあります。

★いずれにしても、私のメンタルモデルは、夏目漱石の前期三部作とヘルマン・ヘッセの「デミアン」「シッダールタ」「知と愛」「ガラス玉演技」「詩集」、ヘーゲルの「精神現象学」、トマス・アクィナスの「神学大全」、ニーチェの「権力への意志」「ツァラトゥストラ」、それから「ぼくタマ(地球)」(汗)でできています。もっとも、「ぼくタマ」は日能研時代に生徒から影響を受けたのですが。

★それゆえ、PBLの根底には、ヘルマン・ヘッセの自己の道発想があります。ひたすら自己の道を追究すると世界に到達するんだという発想。マイプロジェクトは友愛のプロジェクトになり最後は十牛図の十番目というのが、ヘッセのストーリーパターンなんです。

★ただし、デミアンのように、そこは平和な対話ではなく、平和をつくるために挑んでいくというパターンもあります。ガラス玉演技では、死という境地に至ります。しかしながら、それは悲しいのではないのです。光の境地なのです。まるで、鬼滅の刃ぽいのですが。

★ともあれ、ヘッセの次の言葉が、探究でもなく研究でもない「道」を示唆していると思うのです。

 自分の直感と感情をたいせつにしなさい。それから、自分の理性も信じなさい。 もちろん友愛もたいせつだし、芸術を観る自分の眼、自分が抱いている理想もたいせつにし なさい。くれぐれも世間の価値観に惑わされないように。多くの人の考えとちがっていても不安になることはありません。あなたはあなたの道を独りで往かなければならない のです。

ヘルマン・ヘッセ. 超訳 ヘッセの言葉 (Kindle の位置No.362-366).

★ヘッセの境地は、シリコンバレーのHTHが求める境地でもあります。

★自己への道が最終的に行き着く先は、時空を超えて共感し合える境地なのでしょう。それこそが、体験を通していきつく「道」の境地でしょう。IBやラウンドスクエアを創設したクルト・ハーンもヘッセとシンクロしていたに違いありません。

★第一次世界大戦前夜と第二次世界大戦を生き延びるという時代の違いこそあれ、凄まじい自己サバイバルと友愛の統合の道を追究した尊敬する人々です。

★学習指導要領に拘束された探究や文科省に揺さぶられる中での研究から独立した「道」です。

★Zoom体験は、この「道」を感じ取っているZ世代もいるし、リアルと何ら変わらない体験をしている人々もいます。その違いは、「道」を見出せる感性があるかないかですね。

★アフターコロナは、この「道」と仕事を一致させることができるかもしれにという希望が輝いています。探究や研究というかりそめの道をすすまなければ生きていけなかった自分が、自分の道を歩くことで生きることもできる。それこそが働き方改革の未来でしょう。結局、モリスのユートピアの実現ですね。

★いずれにしても、いかなる環境にあっても、それぞれ「自己の道」を見出せるように祈っています。とはいえ、安心安全の場から出発できるように社会を再構築しなくてはとおっせかいな自己の道が一方であるわけですが。

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