ノートルダム学院小学校のPBL授業のリサーチ&ワークショップ➄
★秋田先生の授業を分析して、秋田先生の授業が、市民革命や宗教戦争、コレラのパンデミックなどの激動の疾風怒濤の時代に生まれたPBLの系譜であることが私はわかりました。その時代に同時に生まれたアンチPBLのヘルバルト主義と対峙しているのもわかりました。この確認は、私にとっては重要です。というのも、その疾風怒濤、つまりシュトルム・ウント・ドラング時代、残念なことに、ヘーゲルはペストで生涯を閉じたのですが、マザーテレジア・ゲルハルディンガーは大活躍をするのです。
★そのマザーテレジア・ゲルハルディンガーこそがノートルダム教育修道女会の創設者です。もちろん彼女の人生そのものがプロジェクトなのは言うまでもありません。秋田先生の授業はまさにゲルハルディンガーの系譜です。その確認こそが世界標準の学習理論に一致すること以上に大切なのです。
★さて、秋田先生の授業に、PBLの種を確認した先生方は、ここでホッとしませんでした。さらに一般化を試みます。ここはリベラルアーツの真骨頂です。具体的な体験や事例から一般論を見出すわけです。しかし、これは科学的というより閃きです。
★このような具体的なケースから一般論を引き出すことを帰納的思考といいますが、しかし、ケースが1つでは一般論として成立するかどうかは保留です。しかし、思い切ってやるのです。この繰り返しがやがてノートルダム学院小学校のPBLのシステムに到る道でしょう。
★だから、たしかに仮説なのです。しかしながら、それは強烈な閃きですからメタ帰納思考というわけです。ミメーシスと言ってもよいでしょう。アブダクションと言い換えてもいいですね。
★1つのケースからメタ帰納で一般化し、こんどはその一般化した方法を共有した参加者が使ってみる。今度は一般化を具体化するわけですから、演繹的な思考様式になります。そして再び、こうやって集まってメタ帰納的に分析して新たな一般化を引き出していきます。上田信行巨樹なら、プロトタイプをつくってはリファインしていくんだよと言うでしょう。
★この繰り返しができるチームこそ<学習する組織>なのです。あのピータ・センゲの理屈ですね。
★今回のリサーチ&ワーjクショップでチームNEXTが<学習する組織>として動きだしたということも了解ができたのです。すばらしいですね。(つづく)
| 固定リンク
「創造的才能」カテゴリの記事
- これからの教育(12)探究や教科横断が重要であるのはわかるが、なかなか体得できない。どう克服するのか?(2025.03.26)
- これからの教育(11)シンプルな知の循環体験によって自分のものの見方考え方を内蔵化する(2025.03.26)
- これからの教育(10)東京私学 数学の先生方の挑戦(2025.03.25)
- 共愛学園前橋国際大学の児浦良裕准教授 未来のラボ都市づくりへ奔走(2025.03.21)
- 2025東大合格者発表のシーズン(12)足立学園 4年連続東大合格者輩出(2025.03.21)
「創造的対話」カテゴリの記事
- これからの教育(11)シンプルな知の循環体験によって自分のものの見方考え方を内蔵化する(2025.03.26)
- これからの教育(07)主体的というコト(2025.03.23)
- これからの教育(06)八雲学園 グローバルリーダー着々(2025.03.22)
- 共愛学園前橋国際大学の児浦良裕准教授 未来のラボ都市づくりへ奔走(2025.03.21)
- 2025東大合格者発表のシーズン(12)足立学園 4年連続東大合格者輩出(2025.03.21)
「創造的破壊」カテゴリの記事
- これからの教育(07)主体的というコト(2025.03.23)
- これからの教育(06)八雲学園 グローバルリーダー着々(2025.03.22)
- 共愛学園前橋国際大学の児浦良裕准教授 未来のラボ都市づくりへ奔走(2025.03.21)
- これからの教育(05)聖学院 創発型教育活動②(2025.03.21)
- これからの教育(05)落合陽一さんの「第3のてこ」ヒントにアービトラージ学習(2025.03.21)
「入試市場」カテゴリの記事
- イエール大学と音楽国際交流(6)リハーサルのクライマックス(2024.06.04)
- 私学の教育を支える私学財団(2024.05.30)
- 私立学校の教育は経営システム基盤と経営コミュニケーションがレバレッジポイント 事務長の人間力が凄い(2023.10.06)
- 2023年夏の「私学経営研究会 教頭部会」 21世紀型教育と生成AIとリーガルマインド(2023.07.27)
- 東京私学教育研究所情報(05)私学経営研究会(理事長・校長部会)第1回委員会開催(2023.04.23)
「PBL」カテゴリの記事
- これからの教育(11)シンプルな知の循環体験によって自分のものの見方考え方を内蔵化する(2025.03.26)
- これからの教育(05)落合陽一さんの「第3のてこ」ヒントにアービトラージ学習(2025.03.21)
- 2026中学入試準備(28)工学院と聖学院 成長するときの響きを聴く教師(2025.03.14)
- フュージョン広報(02)富士見丘のホームページ(2025.03.10)
- 私立学校の教育の質の展開(01)成城学園の生徒の視点(2025.03.09)
最近のコメント