2021年変わる中学入試(13)西武文理 大胆なクラス名称の変更と算数1教科入試の廃止、教養と思考力と英語力を前面に
★西武学園文理中学校(以降「西武文理」)の改革のラインナップを送っていただきました。京都にいることが多く、だいぶ前に頂いていたのに、今じっくり拝見しています。加藤潤先生、遅くなってごめんなさい。それにしてもこんなに大胆に改革するとは!驚きました。
★おそらく、進学実績は安定的に伸長しているので、進学教育を前面に出すのではなく、西武文理が本来めざしていた世界標準の教育を前面に出すことにしたのですね。
★クラス名を、「特別選抜クラス」から「グロ―バル選抜クラス」に、「中高一貫進学クラス」を「グローバルクラス」に変更するということはそれを示唆しています。これまで、埼玉エリアは、大学進学実績第一主義の教育が主流でしたが、昨今IBスクールも増え、アクティブラーニングを前面に出す学校も増えてきました。
★進学実績も知識詰込み型授業ではなく、同校のようなPBL型授業を通して出るというのが、いろいろな学校で証明されてきていますから、埼玉エリアで西武文理が新しい挑戦のリーダーシップを発揮するのは自然な流れでもありましょう。
★実際、今回のパンデミック下で、フルスペックのオンライン授業も行ったわけですから、今回の改革の流れは日々の教師の活動から支えられて生まれてきた地に足がついたものだと思います。
★幅広い教養や課題解決型の思考力をベースにしているため、「算数1教科入試」を廃止し、教科入試と適性検査型、思考力入試、英語4技能入試を行うことにしたのは、慧眼です。
★もし本当に、教養や課題解決をベースにした算数の入試をやるのなら、「算数1教科入試」ではなく、適性検査型や思考力入試で行う方が理に適っています。
★「算数一教科入試」は、結局のところ創造的な数学的思考力の問題というより、難問を出題するというケースが多く、将来医歯薬系や理系大学への合格者を出したいという目的の方が大きいでしょう。もちろん、それはそれでよいのですが、西武文理の場合は、そのカリキュラムポリシーやディプロマポリシーからいけば、それではブレてしまうということでしょう。
★こういう一貫性を通す学校の姿勢が眩しいですね。
★そして、パンデミックの第2波第3波にも備えて、出願書類の種類を変えたり、2月は入試日ではなく、代替日を設定するなどリスクマネジメントもしっかりしています。
★教養や課題解決型思考や熟慮されたリスクマネジメントを一貫して行うということは、生徒ファーストな学校であるということでしょう。地政学的にっても西武文理は東京に影響を与える立地です。中央線沿線や京王線沿線の私立学校に多大なハッピーな影響を与えて欲しいと期待しております。
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