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2020年10月10日 (土)

新しい教育社会(05)総合型選抜で、実はCASが重要。高1・高2のみなさんへ

★総合型選抜を考えている高1・高2のみなさん、IB(国際バカロレア)のDP(ディプロマ)のコアカリキュラムにTOK(知の理論)、EE(小論文)、CAS(創造性、活動、奉仕)という3本柱があるのは知っていると思います。今年の総合型選抜は、コロナの影響もあって、突然面接がなくなったり、動画を選抜資料の代替にするなどの動きがありました。

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★いわゆるMARCH以上の総合型選抜や東大の推薦入試などは、IBのTOKを意識して問いを創っているということは、広く知られています。ですから、志望理由書や小論文指導は、どちらかというとTOKやEEの取り組みを参照にしながら準備をしているのは当然だったわけです。私も関係している生徒さんとはその情報をシェアしています。

★ところが今年は、大学入試改革のe-ポートフォリオは中止になりましたが、総合型選抜における「活動報告書」は、効力を発揮しています。いくら小論文や志望理由書などの対策をしても、高校生時代の活動は何もやっていなければ、書けないのです。

★部活レベルでは、差がつかないわけです。

★ですから、ボランティアや起業活動をすることは有効です。ただし、それは総合型選抜の対策として行っているというのでは、見透かされます。やるなら、心底ミッションをもって遂行することが大切です。

★もう30年前の話ですが、IB一号店でもあるイギリスのウェルズにあるアトランティックカレッジを訪れたことがあります。断崖絶壁に聳えている古城跡が学校になっていました。キャンパスの案内をインドの生徒がしてくれました。

★この学校に奨学金をもらって入れたのは、自分のインドでのボランティアが認められたからだと思いますということでした。そのときはぼんやりしていましたが、CASは、中学のプログラムMYPとも連続しているので、当然ボランティアはポイントです。

★で、高校のDPのCASで何をやっているのか聞くと、この海は嵐によくなるのです。日々海難救助のトレーニングをしていますと。エッ?それって命危なくないですか?とあまりに愚かな質問をしてしまいました。

★インド時代もそうですけど、命がけでない奉仕活動は、ないのですよと。結果的に奨学金をもらえたし、大学も進めると思いますが、そこでは、今やっている私の1人の力だけではなく、学問と科学と仲間と出会って、社会を良くしていくことは使命ですからと。

★CASの重みと奉仕活動を行う気概と大切な価値を思い出しました。

★ともあれ、総合型選抜を考えている高1・高2のみなさんは、自分の使命や社会課題に対する覚悟を確認し、どうやって、社会に働きかけるかIBのCASの手引きを読んでみてください。きっとヒントが得られると思います。

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