2021年変わる中学入試(14)海外大学へそして偏差値至上主義の無化へ加速 三田国際のデュアル・ディプロマ参入の意味
★2015年、文化学園大学杉並(文杉)がカナダのブリティッシュコロンビア(BC)州と提携してダブルディプロマ(DD)コースを開設。画期的でしたが、その当時は、文科省主導で国際バカロレア200校計画が動いていましたから、騒いでいるのは私ぐらいでした。しかし、DDコース一期生18名の海外大学、ICUを含め目覚ましい大学合格実績に、いっせいにメディアは取材を開始し、文科省はモデル校として認定するわけです。
★だいたい私は3年くらいはやいので、最初は揶揄されるのですが、広まると、忘れ去られます(^^汗)。まあ、それはともかく、IB以外に海外大学へいくロードマップは、複数揃いました。聖学院や開成、海城のように、自前で海外大学に行ける学校もあります。
(写真は、一部、文化学園大学杉並のサイトから。文杉のDDコースの授業は世界につながっています)
★そして、いよいよ三田国際がデュアル・ディプロマに参入します。同校サイトにはこうあります。
高校インターナショナルコース アドバンスト(ICA)では、2021年度より、西オーストラリア州教育省と提携したDual Diploma Program(デュアルディプロマプログラム)を導入する運びとなりました。高校在学中に西オーストラリア州のカリキュラムに則った授業を履修し、卒業時に本校の高校卒業資格に加え、西オーストラリア州の高校卒業資格(WACE)を取得できるようになります。オーストラリアとのDual Diploma Programは、日本で初めての試みとなります。
★三田国際は、東大主催の英語弁論大会で優秀な成績をあげたり、つい先日もe-スポーツで、強豪のN校や開成をぶち破り優勝したり、偏差値も筑駒を抜く勢いです。とにかく英語分野やテクノロジー分野で素晴らしい実績を出しているわけです。そして、大学合格実績も改革前の戸板女子に比べればはるかにすばらしいのです。
★しかし、東大や海外大学ランキング100位以内の大学にはいるまではまだそこはアピールしていないのです。贅沢な話です。しかし、オーストラリアとのディプロマを提携したということは、まず世界大学ランキング100位内は2023年の卒業生から出るということを意味します。いや来年から出始める(中学改革一期生が卒業)ので、さらに2023年にはたくさんということでしょう。
★このような海外大学へという流れは、今後どんどん大きくなっていくでしょう。三田国際がやるのならと。しかも海外も日本の学校と組みたいのですね。その理由は、ここではっきり言うと炎上するので、いえませんが、とにかく日本の学校と組みたいのです。IBが日本と組みたかったのもその理由です。理由は3つあるのですが、そのうちの一つの象徴は、エジソンのサポートをしたのは日本人で、エジソンの座右の銘は新渡戸稲造の「武士道」だったということでいかがでしょう。他の2つは、ここでは言えません(汗)。
★そして、海外大学へいくロードマップは、自前で行く以外には、提携ということなのですが、その種類は3つあります。それぞれのロードマップを使う学校を並べてみます。国際バカロレアもそうですが、認定校と候補校合わせて(PYP/MYP/DPの延べ数)が、現在150校を超えていますから、ここでは省略します。
1)「ダブルディプロマ」あるいは「デュアル・ディプロマ」校
文化学園大学杉並
神田女学園
国本女子
麹町学園女子
三田国際学園
2)「ラウンドスクエア」認定校 IB以上の教育の質を有している世界の私立学校のコミュニティ
玉川学園
八雲学園
工学院大学附属
啓明学園
3)「UPAA 海外協定大学推薦制度」加盟校
神奈川大学附属
啓明学園
工学院
桐朋女子
東洋高等学校
日本大学(日吉)
横浜清風高等学校
和洋九段女子
★海外大学への道はかくして今まで以上に広がりますが、もう一つの三田国際の意味は、中学入試における偏差値至上主義を崩壊に導くということです。偏差値は統計的な数値ですから、偏差値がなくなるということではなく、偏差値だけで学校選択をすることは意味がないということを言いたいだけです。
★とはいえ、上記の学校は、文杉や三田国際のように、海外大学だけではなく、国内大学の実績も上がりますから、偏差値もあがってしまいます。
★結局、入学時の偏差問が6年後の卒業時に5以上上がるところはどこかというのが学校選択の潮流になるというパラドクスということですね。
★ただ、海外大学も射程に入れた学びは、思考力重視、創造性重視、社会課題解決提案型活動が中心になっていくので、それで偏差値があがるのであれば、喜ばしい限りではありませんか。
★偏差値の質の時代ということですね。
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