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2020年10月26日 (月)

プロジェクトの作り方(01)神崎先生の方法

★今回のパンデミックで、世界はだれしもが、1人では何もできないということを身に染みて了解した。グローバルシンクロシニティと私は呼んでいる。この1人で生きていけないという意味は、何も仲間とワイガヤをやることだけを示唆しているのではない。

★自分の内側に世界と共感できる根源的問題を探し出し、それを解決する生きる道のビジョンを映し出す、投げ出すというプロジェクトを創り出すことを共に行っていかざるを得ないという境地になったコトをグローバルシンクロシニティと呼んでいる。

★共にといったとき、リアルな他者とは限らない、文献の向こうにいる他者である場合もある。文献を読むというのは多様な他者と対話することであるからだ。実は、はるかに文献他者との出会いの方が多い。それこそがあとで述べるが、経験である。読書体験と読書経験は違う。読書体験は、文を読んでいる自己成長でしかないが、読書経験は他者との間主観的創造物としての物語を編集することである。

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★最近、こんなことを考えていたら、神崎史彦先生が、さらりとfacebookで、とはいえ長文でつぶやいていた。読んで驚いたのは、まさにこのグローバルシンクロシニティの現象の中で、根源的な問題を見出し、それを解決するプロセスを創造して、なおかつ実現する現実論を生み出すプロジェクトの作り方を、神崎先生は、すでに高校生と協働しているということを書いているのである。

★このmyプロジェクトは、ourプロジェクトに変容し、最終的にworldプロジェクトに変容する。ここで重要なのは、my→our→worldというのは、リニアーではなくて、自己の中の循環的拡大なのである。私という自己は、間主観的存在で、その間主観性が世界性と共感できるかどうかというプロセスを演繹的でもなく帰納的でもなく、つまりdeduceでもなくinduceでもなくabduceによって、deとinをabとして媒介する。

★だけど、deはabとinを媒介する。そして、inはまたabとdeを媒介する。それぞれの前提にクリティカルシンキングをし、ロジカルシンキングでそれぞれの論証の矛盾やズレを見出していく。論証とは、要素の関係の効果をシンプルに最大化することである。

★しかしながら、問題は、なぜそんな媒介のズレを見出せるのか?

★そこが見いだせない限り、リサーチデザインあるいはリサーチスキルは、カット&ペーストレベルになるし、実体験主義になり、経験創造にならない。経験とは、実は見えないことを物語に編集するコト。古代の歴史も未来の歴史も物質の化学反応結合も実体験することはできないけれど、物語の編集経験はできる。この物語は、de-ab-inの思考の循環によって、螺旋的にあるいはマインドマップ的にあるいは分子結合のようにあるいは量子のようにシステム化される。そして、この循環で生まれてくる思考こそ、ロジカルシンキングだし、クリティカルシンキングだし、クリエイティブシンキング。デザイン思考もアート思考も、このde-ab-inの循環が生み出す特殊な思考形態。文字が絵になり、声が音楽になるようなもの。

★神崎先生のリサーチデザインやリサーチスキルは、以上のような一見私の独断と偏見の発想と親和性があると勝手に思っている。具体的にはまたいずれ説明したい。(つづく)

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