聖パウロ学園 イノベーティブエデュケーター(05)高橋先生のクリエイティブでイノベーティブな授業
★聖パウロ学園の国語科主任の高橋先生とZoom対話をしました。先生の3つのPBL授業の分析を通して、同校の授業がポストコロナに対応するデザインになっているかどうかをリフレクションしたいということでした。高橋先生は研修部のメンバーでもあるため、新たな企画を提案しているのですが、その一環のようです。
★3つの授業をリサーチさせていただき、驚いたのは、生徒はスマホとノートの両方を使い、対話しながら、自己沈潜しながら授業に臨んでいたことです。その姿がとても新鮮だったのは、手元にサイバー空間とリアル空間を置いて学んでいたからです。
★ハイブリッド学習というのは、学校と自宅をつなぐリモート学習という意味とリアルな空間でサイバー空間もパラレルに活用する学習という二重の意味があったわけです。
★来年から、高1から順次クロムブック1人1台の環境になります。自粛期間のオンライン授業は、自宅のパソコンやスマホが使えたわけですが、今後は学校でもPCを使えるようにと、それに向けて準備もしているということです。
★それにしても、高橋先生は、Googleクラスルームを巧みに活用しています。フォームのアンケート機能を選択肢問題に適用し、生徒の反応率をグラフ化して、なぜこういう分布になったのかリフレクションしながら展開したり、論述やプレゼンを共有しながら授業を展開していきます。
★グーグルスライドは、パワーポイントやキーノート程のデザイン性はありませんが、自分の考えや気づいたことを見える化してクラスで共有していくことは十分にできます。
★アップルペンシルなど使えなくても、ジャムボードを活用しているので、デジタルポストイットでマインドマップもつくれます。
★高橋先生は、高校3年生の受験態勢にあって、デジタル活用は2つの意味で効果的だと語ります。「1つは、入試で出題される知識問題の整理や定着。既存のアプリを使わずに、オリジナルの問いをグーグルフォームで連打していくわけです。クラスの反応率(正答率)と自分を比較ができますから、励みにもなるし、自分の弱みをモニタリングもできます。リフレクション機能が受験に対するモチベーションを挙げます」と。
★もう一つは、「国語の授業では、私小説を編集して書き込み、共有しているわけですが、これは自分を見つけることにもなるし、自分を突き動かす深い動機を発見することにもなります。これは志望理由書を書くときにも役に立つはずです」と。
★両方に共通している点は、仲間とリフレクションを共有する機能が充実しているということですね。
★PBLはmyプロジェクト→ourプロジェクト→worldプロジェクトと螺旋を描きながら生徒が成長していく学びの場ですが、それに相互リフレクションが欠かせないということです。
★だとすると、テクノロジーによって、この相互リフレクションが豊かにサポートされるのは、欠かせないということです。
★高橋先生は、小説を編集するというクリエイティブな活動と相互リフレクションを加速させるイノベーティブなサポートの統合を果たそうとしているわけです。
★もちろん、パンデミック以前も、このチャレンジはずっとなされてきました。だから入学後の生徒の成長は目覚ましかったわけですが、今後はますます自己変容度が豊かなになるということでしょう。
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